こんにちは!
猫を愛するアクリル画家、松井京丸です。
↑『夜空を飛ぶ猫』
アクリル絵の具って、紙やキャンバスだけじゃなて、
布も染められるのをご存じですか?
実はちょっとした工夫で、
洗っても落ちにくい「オリジナル布作品」を作ることが出来るんです。

この記事では、アクリル絵の具で布を染める方法やキレイに仕上げるコツを、
簡単にわかりやすく解説しています。
このような方にお役に立てる記事になっています。
それでは、よろしくお願いします。
アクリル絵の具を使った布の染め方【準備編】
実際に「アクリル絵の具を使った布の染め方」を実践していく前に、
染めるのに使う布のことや、アクリル絵の具の特性、必要物品について見ていきましょう。
アクリル絵の具で「染められる布」と「染めにくい布」
アクリル絵の具は、 天然素材との相性が抜群 です!
特におすすめは次の3種類。
逆にポリエステルなどの「化学繊維100%」は、定着が悪いので避けた方が無難です。
■↓左がコットン100%、右がポリエステル100%の布です。同じアクリル絵の具を塗りました。
- 左:コットン:布の上にしっかりとアクリル絵の具が乗っている感じです。
- 右:ポリエステル:にじんでいく感じがありました。(どちらも同量の水で実施しました)

布用のメディウムってどんなもの?
アクリル絵の具は乾くと「樹脂の膜」を作るため、布がカチカチになることがあるんです。
やわらかく染めたい場合は、「布用メディウム」を混ぜることをおススメします。
布用メディウムについて
なので布にそのまま塗ると、バリバリ・パリッとした手触りになって、しわになったり、折り曲げ部分がひび割れたりすることがあるのです。
おススメ商品
使い方
効果
必要性
アクリル絵の具は、乾くとプラスチックの膜になります。
●ターナー・ファブリックメディウム
布用メディウムを使用しないケース
必ずしも“絶対必要”ではない場合もあります。
厚塗りしても、アクリルの発色そのままでキレイ 布に“描く”というより“塗る”感覚で使いたいなら、 あえてメディウムなしでもおもしろいです。
デコレーションや飾り用の場合
トートバッグやクッションカバーなど、
「洗わない・飾るだけ」なら、メディウムなしでもOK。
絵の具の膜感をあえて残したい場合
ポップアートっぽい立体感を出したい、
作りたいものによって変わる
作りたいもの
メディウムは必要?
理由
洗えるTシャツやトートバッグ
◎必要
割れ防止・柔らか仕上げ
壁掛けや作品展示用の布
△不要でもOK
固くても問題なし
クッションやカバーなどの実用品
◎必要
摩擦や洗濯に強くするため
■↓左側がアクリル絵の具+ファブリックメディウム。右側はアクリル絵の具のみです。
塗っているときの感覚はあまり違わないのですが、乾いてみるとアクリル絵の具のみの方は割れてきています。ファブリックメディウムをプラスした方は、柔らかく定着しています。

アクリル絵の具を使った布染め・準備物品
いつも使用しているアクリル絵の具や画材があれば、ほぼほぼ大丈夫です。
プラスして、あると便利な物と一緒にあげていきます。
■↑今回、使用した物品。
あらかじめ1度洗濯しておきます。
アクリル絵の具
いつも使っているものでOK。
ファブリックメディウム
今回は《ターナー ファブリメディウム》を使います。
染めたい布製品
ハンカチ、トートバック、クッションカバーなど。
筆、パレット、水入れ
いつも使っているものでOK。
アイロン
仕上げに使います。
ビニール手袋
あると便利です。
新聞紙
乾燥するときなど新聞紙に広げるといいです。
アクリル絵の具を使った布の染め方【基本編】
では実際にアクリル絵の具で布を染める方法を見ていきましょう。
ここではまず 大まかな流れを把握 していきます。
描く・塗るタイプ(筆・スポンジで塗布)
最も簡単な方法です。
布に直接筆で描くか、スポンジでトントン叩くように色をのせていきます。
■↓スポンジ使用。左はコットン、右はポリエステル。広めの範囲をふんわりと塗りたい場合に便利です。
染めるタイプ(全体を浸す方法)
ハンカチやTシャツ全体を染めたいときにおすすめです。

ステンシルタイプ
型紙やレースを使って、ステンシル風に模様を入れるのも楽しいです。
自分で形を切り抜いて、それを使うのももちろんオッケー。
■↓トートバックと自作型紙。アクリル絵の具が下に染みていかないように、ポケットの内側に台紙を入れます。牛乳パックで作りました。
■↓型紙がずれないようにテープで固定して、ファブリックメディウムを混ぜたアクリル絵の具を塗っていきます。アクリル絵の具:ファブリックメディウム=1:1の割合で混ぜました。
■↓アクリル絵の具を使った布染め【ステンシル風】完成です!
■↓あて布をしてアイロンをかけたのがこちらです。しっかりと定着している感じが伝わるでしょうか?

仕上がりをキレイにするコツ
① 完全に乾かしてからアイロンで定着
アクリル絵の具は熱でしっかり固まるので、
アイロンの熱(中温)で3〜5分あてると落ちにくくなります。
裏側から当てるか、あて布を忘れずに。
② 洗濯のときの注意点

■↓初心者さんでの簡単に楽しめるアクリル絵の具アートについての記事はこちらです。
アクリル絵の具を使った布の染め方【実践編】
ここでは実践的に、アクリル絵の具で作るガーゼハンカチの全体染めに挑戦します。
柔らかくてカラフル、日常で使える布アート!
ガーゼハンカチにアクリル絵の具で全体染め、めちゃくちゃ可愛いです。
やさしいにじみと独特の風合いが出るし、 “世界に一枚だけの布アート” になります。

準備するもの

手順1:絵の具液を作る
- カップにアクリル絵の具と布用メディウムを1:1で混ぜる。
- 100ml程度の水を少しずつ足しながら、よく混ぜる。
- 混ぜる水の量で、完成後の色合いも変わります。今回、ピンクの方を水多めにしてみました。

手順2:布を絞って模様をつくる
絞り方で模様が変わるのが楽しいところです!
■ドット模様:布を小さくつまんで輪ゴムで止める(たくさんつくると華やか)
■グラデーション :端からくるくる巻いていきます。
(1)まずはガーゼを四つ折りにして、さらに三角に折り、それをまたさらに三角に折ります。
(2)ひもできつく巻いていきます。

手順3:染めていく
- 洗面器に絵の具液を入れて、布を軽く浸す。
- 揉まず、液を上からかけるようにして染み込ませる。
- 10~20秒ほどで引きあげます。
- よく絞ります。
- ひもや輪ゴムをはずします。
- 広げて乾かします。

手順4:乾燥とアイロン定着
- 新聞紙の上に広げたり、物干しで広げるなどして陰干しする。
- 完全に乾いたら、あて布をして中温アイロンで3〜5分。
→ これでアクリル絵の具が布にしっかり定着!
想像以上に、柔らかく仕上がってビックリしました。 これ、本当にアクリル絵の具で染めたの??って思うくらいです。 手触りもやわらかいのですが、色合いもすごく優しくなって、 これはちょっとクセになりそうです。 すごく簡単だし、時間もかからない。 ただ、今回ちょっと輪ゴムやひもの巻き方が甘かったようです。 もっときつめに巻いたら、模様がはっきりしたかなと思います。
■乾燥前:10秒程度で染め液から引き上げましたが、結構な発色です。ピンク色の方はもともと多めの水で溶いていたこともあって、薄桃色に染まっています。
■乾燥後(アイロンなし):乾燥すると、色が落ち着きました。手触りはとてもやわらかくて、アクリル絵の具で染めたことが信じられません。まったくバリバリなどしていません。
■アイロン後:あて布をして中温のアイロンをあてました。にじんでいるところが、若干見やすくなったでしょうか。

■↓初心者さんにもやさしくわかるアクリル絵の具の使い方の記事はこちらです。
手順5:その後のお手入れ方法
- 最初の1〜2回は単独で洗った方が無難です。(色落ちチェック)
- 中性洗剤+ぬるま湯が安心。
- 乾いたら軽くアイロンを当てて整えます。

アクリル絵の具を使った布の染め方【Q & A】
ここからは、「アクリル絵の具で布を染める方法」についての疑問にお答えしていきます。

アクリル絵の具で布を染めるとバリバリにならない?
アクリル絵の具だけで染めるとバリバリになりがちです。
ファブリックメディウムをアクリル絵の具に混ぜて使えば安心です。
描き心地が変わることなく、 柔らかな風合いで、布に定着 します。
筆やスポンジで描写することも、絵の具液を作って浸して染めることにも、
どちらにも使用できます。

メディウムは絶対に使わないとダメ?
使わなくても、布に描くこと自体はできます。
部屋に飾る用の物、洗わずに使うつもりのクッションカバーなどは、メディウムなしでも可能です。
また、あえて、アクリル絵の具の質感や立体感などを出したい場合は
アクリル絵の具だけで表現するのもいいかもしれません。
洗って使用したいハンカチやTシャツなどは
ファブリックメディウムを使用した方が賢明かなと思います。
アクリル絵の具で布トートバックを染めたいけど、後から色が落ちて服に着いたりしませんか?
完全に乾燥して、アイロンで定着させてしまえば大丈夫です。
硬いものが引っかかったりした場合は削れたりする可能性はありますので
注意してくださいね。
まとめ:アクリル絵の具で布を染めるのは意外と簡単!
「アクリル絵の具を使った布の染め方」について見てきました。
アクリル絵の具の可能性がまたひとつ増えたことを確信 できました。
- アクリル絵の具は紙やキャンバスに描くだけではなく、
布やトートバックに描いたり、ガーゼ全体を染めたりできること。
- アクリル絵の具の濃度や浸ける時間を変えたりなど、
いろいろと変化させることにより、様々な結果が生まれること。
アクリル絵の具といろいろな道具たちをかけ合わせて試してみることで、
研究室で実験をする学者のような気分で、とっても楽しかったです。
とくに、思ったよりもすごく簡単にできてしまって驚きました。
ひもや輪ゴムの縛り方が甘くて、はっきりとした模様が得られなかったのですが、
それでも、 美しい色が染まり、少しムラを作ることができて満足 しています。
次回はどんな風に染めようか? 何に描こうか?何を染めようか? そんなふうに考えてワクワクしています! スニーカーを染めてみようかな!
普段使っているの画用紙から、「布」に焦点を向けて、
いつもとは違ったことを試してみると素敵な発見があるかも!
新しいアートの世界を広げて、 楽しい絵描きライフ を送りましょう!
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ハンカチ、Tシャツ、トートバッグ、ランチョンマットなど、
身近な布アイテムがアートに変身するよ!