ペット肖像画が人気の理由と選び方|画材の種類から注文の流れまで

ペット肖像画を描いているシーン。モデルは猫。画家は犬。画材はアクリル絵の具。明るい雰囲気で。

こんにちは!

元看護師のアクリル画家、松井京丸です。

2匹の愛猫と暮らしながら、癒しと解放をテーマに制作活動をしています。

『瞬きのあいだ』© 2026 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)

 

 

ペットとの暮らしの中で、ふと「この子の今の表情を、ずっと残しておきたい」と感じる瞬間はありませんか。

「写真もたくさん撮っているけれど、なんだか物足りない」

そんな気持ちに応えてくれるのが、ペット肖像画です。

 

本記事では、毎日アクリル絵の具を扱うプロの画家としての知見と、

元看護師ならではの実験的・科学的な視点、

さらには、猫飼い歴25年の経験も踏まえて、

ペット肖像画がなぜ今こんなに人気なのか、その理由から画材の種類、失敗しない選び方、注文の流れまでをまるごとご紹介します。

 

読み終えたころには、あなたの愛猫・愛犬にぴったりの一枚を見つけるヒントが、きっと見つかるはずです。

※まずは依頼を考えている方向けの内容ですが、自分で描いてみたい方はこの記事の後半のリンクもご参考に!

 

ペット肖像画とは?愛猫・愛犬の「今」を絵として残す特別な作品

ペット肖像画とは、 飼っている猫や犬などのペットを主役 にして描く、世界に一枚だけの絵画作品のことです。

写真をもとに、画家が鉛筆や絵の具などの画材を使って一匹一匹の個性を表現していきます。

 

単に姿を写し取るだけでなく、その子らしい表情や毛並みの質感、家族との思い出まで一枚に込められるのが、ペット肖像画の大きな特徴です。

鑑賞用として部屋に飾る人もいれば、大切な家族を見送ったあとの遺影として依頼する人も増えています。

 

 

■↓猫の肖像画の魅力と歴史について解説した記事はこちらです。ぜひ参考にしてくださいね

猫の肖像画の魅力と歴史|愛猫を世界にひとつのアートとして残す方法

 

 

【理由】ペット肖像画がこれほど人気を集めているのはなぜ?

猫をモデルにしたアクリル画の肖像画作品。毛並みの質感を活かした写実的なタッチで描かれた一匹の猫の絵画、キャンバスに描かれた完成作品を正面から撮影した構図

ここ数年、SNSやギャラリーでペット肖像画を見かける機会が増えてきました。

なぜここまで人気が高まっているのか、その背景を3つの視点から見ていきます。

 

写真では残せない「表情」や「空気感」を描けるから

写真は一瞬を切り取る記録ですが、絵は画家がその子を見つめた時間や印象を重ねて仕上げるものです。

そのため、写真では伝わりにくい「その子らしい柔らかな表情」や「くつろいでいる空気感」まで表現できるのが、絵画の強みだとボクは考えています。

同じ写真を渡しても、画家によって仕上がりの雰囲気が変わるのは、この「解釈」が入るからです。

 

その子だけの魅力は、写真では切り取ることのできない ほんの一瞬の表情だったり、目の光だったり、動き方だったり します。

とくに、何かを目で追っていたり、見つけているときの目の表情。

くつろいでいるときの脚の置き方、体の曲げ方。

ちょっとした部分に、その子らしさが現れます。

 

京丸
猫を描いていていつも感じるのは、写真には写らない「その瞬間の空気」があるということです。目の光や脚の角度など、ささいな部分にこそ、その子らしさが宿っていると思います。

 

遺影・メモリアルとしての需要が増えているから

大切な家族を見送ったあと、写真だけでなく絵として残したいと考える人が増えています。

絵にすることで、悲しみの中にも温かさを感じられる形として、その子の存在を身近に置いておけるからだと考えられます。

遺影としての依頼が増えている背景には、ペットを家族の一員として捉える価値観が広く根づいてきたことも関係しているでしょう。

 

ギフトや記念日の贈り物として選ばれているから

誕生日や記念日、飼い主さんへのプレゼントとして、ペット肖像画を贈るケースも増えています。

形に残るギフトとして、写真とは違う特別感を届けられる点が選ばれる理由です。

 

 

【種類】人気のペット肖像画の画材・画風による特徴を比較

白猫とキジ白猫が紙粘土で作ったおもちゃに色を塗っている。楽しそう。明るい雰囲気。

ペット肖像画には複数の画材・画風があり、それぞれ仕上がりの雰囲気や質感が異なります。

ここでは代表的な5つのタイプを比較しながら紹介します。

 

鉛筆画でのペット肖像画の魅力

■↑『見上げるシエル』© 2026 アクリル・ネコ/松井京丸(鉛筆)

鉛筆画は、繊細な線と濃淡だけで毛並みや質感を表現するモノトーンの世界観が魅力です。

落ち着いたインテリアに合わせやすく、しっとりとした空気感を好む人に選ばれています。

 

■↓自分でもペットの肖像画を鉛筆で描いてみたくなった方はこちらをご覧ください。詳しく解説しています。

【猫の絵】鉛筆で描くコツ5選!初心者でもリアルに描ける方法を解説

 

色鉛筆でのペット肖像画の魅力

■↑ 『葉っぱの上の白猫』© 2017 アクリル・ネコ/松井京丸(色鉛筆)

色鉛筆画になると、柔らかな色みが加わり、優しい雰囲気の仕上がりになります。

ペットの柔らかな毛並みの様子や、潤んだ瞳も美しく表現できます。

 

水彩絵の具でのペット肖像画の魅力

犬と猫が並んだ姿の肖像画を水彩絵の具で描いたもの。爽やかな感じ。

水彩画は、絵の具の透明感やにじみを活かした、軽やかで爽やかな印象が特徴です。

色の重なりによって生まれる偶然の表情も、水彩画ならではの味わいだと言えます。

明るい部屋に飾りたい、ナチュラルな雰囲気を求める人に向いている画材です。

 

アクリル絵の具でのペット肖像画の魅力

■↑『春うまれ』© 2026 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)

アクリル画は、色の発色がはっきりしていて、重ね塗りによる質感表現が得意な画材です。

毛並みの柔らかさやツヤ、目の輝きまで丁寧に描き込めるため、存在感のある一枚に仕上がりやすいのが特徴です。

 

京丸
ボクはアクリル絵の具を使って猫を描いていますが、乾きが早く重ね塗りしやすいぶん、毛の一本一本の質感や瞳の奥の光まで納得がいくまで描き込めるところに魅力を感じています。

 

■↓自分でもペットの肖像画をアクリル絵の具で描いてみたくなった方はこちらの記事を参考にしてください。詳しく解説しています。

【猫の絵】アクリル絵の具での描き方|失敗ゼロ5ステップ完全保存版

 

油絵の具でのペット肖像画の魅力

子犬と子猫が並んだ姿の肖像画を油絵の具で描いたもの。重厚で存在感のあるもので。

油絵特有のツヤと深みのある発色により、一枚飾るだけで部屋の空気を変えるような絵画としての品格と高級感が生まれます。

絵の具自体の厚み(マチエール)を残せるため、ふんわりとした柔らかい毛や、しっとりとした鼻先などの質感をリアルに彫り出すように表現できます。

 

 

 

【注意】失敗しない!ペット肖像画の選び方

猫の肖像画のクローズアップ。瞳の輝きと毛並みの繊細な質感が際立つアクリル画のアップ写真、絵の具の重なりや筆致がわかる接写構図

せっかく依頼するなら、後悔のない一枚にしたいものです。

ここでは選び方のポイントを3つに分けて解説します。

 

用途(鑑賞用・ギフト・遺影)で選ぶ

まずはどんな目的で描いてもらうのかを明確にしておきましょう。

鑑賞用として部屋に飾るのか、誰かへのギフトなのか、あるいは遺影として大切に残したいのかによって、選ぶべき画風やサイズの目安が変わってきます。

用途が決まると、画材や構図の希望も自然と絞り込みやすくなります。

 

作家の作品履歴や画風の相性で選ぶ

同じ「ペット肖像画」でも、作家によって表現の癖や得意な雰囲気は異なります。

依頼する前に、その作家がこれまでどんな作品を描いてきたのかを確認し、自分の愛犬・愛猫のイメージに近い作品があるかどうかを見ておくことをおすすめします。

京丸

多くの作家さんがペット肖像画を描いています。

自分がどんな雰囲気の絵に惹かれるのか、複数の作品を見比べて検討してくださいね。

 

写真の準備で仕上がりが変わる

ペット肖像画は、基本的に飼い主さんが用意した写真をもとに描かれます。

そのため、ピントが合っていて、表情や毛並みがはっきり分かる写真を用意できるかどうかが、仕上がりの完成度を大きく左右します。

自然光の下で撮った写真は、毛の色味や瞳の色が正確に伝わりやすいためおすすめです。

 

【目安】ペット肖像画の価格帯・納期について

猫画家が犬を前にして、犬の肖像画を描いている。アクリル画を使用している。明るい雰囲気で。
画材・ジャンル別の「サイズ別価格帯」「制作期間」「額装の扱い」の総合比較まとめです。
京丸
おおよその目安を紹介します。独自の技法を使用して描いておられる作家さんなど、この限りではありませんので、目安としてご覧ください!

1. 画材・ジャンル別 サイズ&価格帯の目安(1頭・基本料金)

画材ジャンル 小サイズ(ハガキ〜SM / A5前後) 中サイズ(人気帯)(3〜4号 / A4〜B4) 大サイズ(6〜8号以上 / A3〜) 備考・追加頭数
鉛筆・デッサン

 

(モノクロ)
10,000 〜 20,000円

 

(ポストカード・色紙)
18,000 〜 35,000円

 

(A4・B4画用紙)
30,000 〜 60,000円

 

(A3〜四つ切)
毛並みの繊細さが売り。

 

+5,000〜10,000円/頭
色鉛筆・パステル

 

(フルカラー紙作品)
15,000 〜 28,000円

 

(ハガキ〜SM・A5)
25,000 〜 48,000円

 

(A4・八つ切)
45,000 〜 80,000円

 

(A3・四つ切)
塗り込みの手間が価格に直結。

 

+8,000〜15,000円/頭
アクリル絵の具

 

(キャンバス画)
20,000 〜 35,000円

 

(ミニキャンバス〜SM)
35,000 〜 65,000円

 

(F3〜F4号)
60,000 〜 120,000円

 

(F6〜F10号)
発色と立体感が強み。

 

+10,000〜20,000円/頭
油絵の具

 

(油彩キャンバス画)
25,000 〜 45,000円

 

(SM号〜)
45,000 〜 80,000円

 

(F3〜F4号)
80,000 〜 160,000円超

 

(F6〜F10号以上)
最高価格帯・家宝級の重厚感。

 

+15,000〜30,000円/頭
デジタルイラスト

 

(データ・プリント)
3,000 〜 8,000円

 

(アイコン・正方形)
8,000 〜 20,000円

 

(A4プリント解像度)
18,000 〜 40,000円

 

(A3・ポスター解像度)
グッズ化しやすい手軽さ。

 

+2,000〜5,000円/頭

2. 制作期間・納期の目安

納期は「実作業時間」と「画材の乾燥・定着時間」の合計で決まります。
  • デジタルイラスト: 約 3日 〜 2週間
    • 乾燥時間がゼロ。修正(リテイク)対応がスムーズなら数日で納品可能。
  • 鉛筆・色鉛筆・パステル: 約 1週間 〜 3週間
    • 描き終わり次第、定着剤(フィキサチーフ)を吹き付ければ数時間〜翌日には梱包・発送可能。
  • アクリル絵の具: 約 2週間 〜 1.5ヶ月
    • 絵の具の乾燥は数時間〜1日。仕上げの保護ニス(バーニッシュ)の完全乾燥に3〜5日置き、額装・梱包して発送。
  • 油絵の具: 約 1ヶ月 〜 3ヶ月(厚塗り・大作は半年)
    • 絵の具の内部硬化(酸化重合)に最低でも2週間〜1ヶ月の待機期間が必須。生乾きでの発送事故を防ぐため最長スケジュールになります。

3. 額装(フレーム)の有無と仕様の違い

支持体(紙かキャンバスかデータか)によって、額装の必要性とコストが大きく分かれます。
ジャンル 基本スタイル 額の種類・特徴 額装費用の相場(別売の場合)
鉛筆・色鉛筆

 

(紙・ボード)
額装必須

 

(擦れ・湿気に弱いため)
表面ガラス/アクリル入りのデッサン額+マット台紙。マットを入れることで絵の具の擦れを防ぎます。
+3,000 〜 8,000円

 

(軽量で扱いやすい)
アクリル絵の具

 

(キャンバス)
額なし/額あり 選択可 側面まで塗った「包み張りキャンバス」なら額なし直掛けが人気。額装する場合はモダンな油彩額・浮き出し額(フロートフレーム)。
+5,000 〜 15,000円

 

(額なし納品も多い)
油絵の具

 

(キャンバス)
額装込み または オプション 作品の重厚感に合わせた**本格油彩額(棹が太く重い木製額など)**が標準的。クラシックな格調が出ます。
+8,000 〜 25,000円以上

 

(高級額は3万円超も)
デジタルイラスト データ納品(額なし)が基本 印刷納品を希望する場合のみ、市販のポスターフレームやフォトフレームをセットにして発送。
+1,500 〜 4,000円

 

(簡易フレーム)

 

事前に確認を!

この章で紹介した価格帯や納期については、あくまで目安です。作家さんによっては、独自の価格や納期を定めている場合もありますので、納得のいくまで確認しましょう。 

 

 

【本番】人気のペット肖像画の注文方法と流れ

キジ白猫と白猫がアクリル画を描いています

実際に依頼する際は、どのような流れで進むのかを知っておくと安心です。

 

写真提出から完成までのステップ

一般的には、依頼したい作家やギャラリーに写真を提出し、画材やサイズ、構図の希望を伝えるところから始まります。

その後、下描きや途中経過の確認を挟みながら制作が進み、完成後に仕上がりを確認して納品されるという流れが多く見られます。

制作期間は画材や依頼内容によって幅がありますので、記念日などに合わせたい場合は早めに相談しておくと安心です。

 

多頭飼い・家族と一緒に描いてもらう場合の注意点

■↑『クッキーシエルスケッチ』© 2025 アクリル・ネコ/松井京丸(鉛筆) 

複数のペットを一緒に描いてもらいたい場合や、家族と一緒に描いてもらいたい場合は、通常よりも構図の調整が必要になることがあります。

京丸
ボクも多頭飼いをしているのよくわかります。

兄弟猫たちが一緒に寝ていたり、遊んでいたり、ご飯を食べていたりする様子は、1匹の猫でやっている時よりも、可愛さが爆増するんです!

だから、そんな瞬間を絵に残したいですよね。

それゆえに、どのような構図にしたら、猫たちの可愛さが引き出せるのか?飼い主さんの望んでいる仕上がりはどんなものか?ラフスケッチを描きながら検討します。

 

依頼前に、何頭・何人まで一緒に描けるのか、追加料金が発生するのかを確認しておくとスムーズです。

 

 

【体験談】ペットの肖像画を描くときに大切にしていること

自宅アトリエで絵を描く人物の後ろ姿、机の上に絵の具やパレット、筆が並ぶ制作風景。近くで寄り添う猫がいる、温かみのある日常のワンシーン

長年、猫と暮らしている中で、 いつまでも置いておきたいとっておきの瞬間 に出会ってきました。

写真では、なかなかそういうシーンを的確にとらえることが出来なくて歯がゆい思いをしていました。

 

何枚も写していると、可愛いショットは撮れるんです。

でも、「この子だけが出せる味のあるあの表情」などは、写真ではなかなか写せない。

 

その後、絵を本格的に描くようになったとき、「この子だけのこの瞬間」を描けるようになりたいと思うようになりました。

■↑こんなふうに絵を飾る用の壁を場所を作っています。

京丸
何気ない瞬間ほど、あとから見返すと一番愛おしく感じるものです。

だからこそボクは、写真では写しきれないその子だけの表情を、絵の中に閉じ込めたいと思っています。

 

 

 

【Q & A】人気のペット肖像画についてよくある質問

シエル
もっと教えて!

 

Q. ペット肖像画はどんな写真を用意すればいいですか?

A. ピントが合っていて、表情や毛並みがはっきり見える写真がおすすめです。

自然光の下で撮影された写真は、色味も正確に伝わりやすくなります。

1枚だけでなく、複数枚用意した方がよりわかりやすいですね。

クッキー
いっぱい用意しよう!

 

Q. 遺影用としても依頼できますか?

A. はい、遺影としての依頼も可能です。

大切な家族の存在を、絵という形で身近に残しておきたいという声は少なくありません。

 

Q. 画材はどれを選べばいいですか?

A. 飾る場所の雰囲気や、求める仕上がりの印象によって選ぶのがおすすめです。

落ち着いた雰囲気なら鉛筆画や色鉛筆画。

爽やかな印象なら水彩画。

存在感のある仕上がりを求めるならアクリル画や油彩画が向いています。

 

 

【まとめ】大切なペットの姿を世界に一つだけの肖像画に

子犬と子猫が並んだ姿のアクリル絵の具で描いた肖像画を部屋の壁に飾った様子。明るい雰囲気で。

ペット肖像画は、写真だけでは残せない表情や空気感を伝えられる、特別な一枚です。

鑑賞用、ギフト、遺影など用途に合わせて画材や作家を選ぶことで、後悔のない依頼につながります。

 

この記事のまとめ
  • ペット肖像画の人気の理由
  • ペット肖像画の画材・画法の種類と特徴
  • 失敗しないペット肖像画の選び方
  • ペット肖像画の注文方法と流れ
  • 体験談:ペット肖像画を描く時に大切にしていること

 

京丸
大切な家族の一員であるペットの肖像画は、ニーズに合わせてオーダーができます。
愛するペットの特別な1枚を部屋に飾ってみる。
それだけで、かけがえのない空間があなたを癒すことでしょう。

 

 

■↓松井京丸の作品集のページです。随時更新していますので、ぜひご覧くださいね!

作品集

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
このブログでは、アクリル絵の具と猫の絵に関することをやさしく簡単に紹介しています。
また、YouTubeではわかりやすく動画でご覧いただけるように工夫しています。
よろしくお願いします!

 

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