こんにちは!
元看護師のアクリル画家、松井京丸です。
2匹の愛猫と暮らしながら、癒しと解放をテーマに制作活動をしています。
『瞬きのあいだ』© 2026 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)
絵を描き始めたばかりの頃、 「ジェッソ」と「アクリル絵の具」を混ぜてもいいのか、ずっと疑問 に思っていました。
同じアクリル系だから大丈夫そうな気もするけれど、失敗したら画材がもったいないですよね。

本記事では、毎日アクリル絵の具を使っている画家の経験と、元看護師ならではの「まず試して確かめる」視点で、実際に混ぜて試した結果をまとめます。
・混ぜてもいい理由
・比率の目安
・失敗しない手順
・ありがちな失敗と対策
を順番にお伝えします。読み終わる頃には、下地作りの幅がぐっと広がって、自分だけの質感や色味を作れるようになりますよ。
ジェッソとは?アクリル絵の具との違いをまず整理しよう
この章では、ジェッソがそもそもどんな画材なのか、そしてアクリル絵の具と何が違うのかを、成分の違いから見ていきます。
違いを知ることで、なぜ混ぜても問題ないのか、後の章の理由がすんなり理解できるようになります。
ジェッソの役割(下地・目止め・発色アップ)
ジェッソは、キャンバスや木製パネル、紙などに塗る下地剤です。
役割は主に3つあります。
1つ目は、画面(キャンバスや紙の表面)の表面を絵の具がのりやすい状態に整えることです。
2つ目は、木材や布の目を埋めて(素材の細かい穴や凸凹をふさいで)、表面の粗さを好みの状態に調整することです。
3つ目は、下の素材の色や吸水性を均一にして、アクリル絵の具の発色を良くすることです。

アクリル絵の具との成分の違い
ジェッソもアクリル絵の具も、 アクリル樹脂(アクリルエマルション)をベースにしている点は共通 しています。
大きな違いは、多くのジェッソには炭酸カルシウムなどの白い粉(顔料)が多く含まれていて、マットで下地向きの質感に作られていることです。
一方アクリル絵の具は、発色を優先した配合になっています。そのため素材によっては、そのまま塗ると下の色が透けたり、絵の具がのりにくかったりすることがあります。
しかし、混ぜすぎるとジェッソ本来の下地としての強度や定着力が少し変わることがあります。
出典:ホルベイン公式サイト
■↓ジェッソの選び方、使い方について詳しくまとめた記事はこちらです。ぜひ参考にしてくださいね。
ジェッソとアクリル絵の具は混ぜても大丈夫?結論と理由

この章では、なぜ混ぜても問題ないのか、その理由と、混ぜることで広がる表現の幅について解説します。
混ぜても問題ない理由(成分の相性)
ジェッソとアクリル絵の具は、どちらもアクリル樹脂を主成分とする水性の画材です。
同じ樹脂をベースにしているため、混ぜる量が多すぎなければ、乾いたときにひび割れたり、層が剥がれたりする心配はほとんどありません。
油と水は混ざらないというような心配はない組み合わせです。
ジェッソにアクリル絵の具を混ぜると、白っぽく彩度の落ちた優しい色味の下地を作ることができます。
色付きジェッソ・カラージェッソという選択肢
市販のジェッソには、白だけでなく黒や色付きのカラージェッソもあります。
はじめから色のついたジェッソを使う方法と、自分でアクリル絵の具を混ぜて好きな色の下地を作る方法、どちらにもメリットがあります。
- カラージェッソ:色ムラが出にくく安定している
- 自分でアクリル絵の具を混ぜる方法:微妙な色味を自分好みに調整できる
ジェッソとアクリル絵の具を混ぜる時の比率の目安
ここでは、目的別にどれくらいの比率で混ぜればよいか、具体的な目安を紹介します。
比率が分かると、仕上がりのイメージを描きながら下地作りができるようになります。
まずは目安を表にまとめました。
目的
ジェッソ:アクリル絵の具
仕上がりのイメージ
ほんのり色をつけたい
10:1
ほぼ白~ごく薄い色
優しい色味にしたい
3:1
淡いパステル調
はっきりと色をつけたい
1:1
絵の具の色がしっかり出る
※絵の具の種類・発色で変わります。10:1は”ほぼ白”になることもあります。
※比率は体積(スプーンなどで量った量)の目安です。
下地の質感を残したいとき(ジェッソ10:絵の具1)
下地の白さや粒子感をしっかり残しつつ、うっすら色をつけたい場合は、ジェッソ10に対して絵の具1程度から試すのがおすすめです。
この比率であれば、ジェッソ本来の目止め効果(=素材の細かい穴や凹凸をふさぐ働き)やマットな質感を損なわずに、ほんのり色味を加えられます。
ただし色はかなり薄くなり、塗ってみると「ほぼ白」に見えることもあります。
優しい色味にしたいとき(ジェッソ3:絵の具1)
少し色を感じる下地にしたいときは、ジェッソ3に対して絵の具1くらいが目安です。
パステル調の、ふんわりした背景を描きたいときに向いています。
色をしっかり出したいとき(ジェッソ1:絵の具1)
もう少し色をはっきり出したい場合は、ジェッソとアクリル絵の具を同量に近い比率で混ぜます。
比率を絵の具側に寄せるほど発色は強くなりますが、その分ジェッソが持つ下地としての機能(目止めや定着力)は弱まっていきます。
ジェッソにアクリル絵の具を混ぜてみた体験談
猫の背景を青空にしようと思っていたので、下地もブルーで塗ることにしました。
あまり青が強くならないように、少しずつ混ぜていきました。
しかし、その結果、「これならジェッソの白いまま塗ったのとあんまり変わらないよね?」というような下地になってしまいました。(すごく薄い青の下地でほぼ白!)
【1枚目に混ぜた比率:ジェッソ10に対して、青を0.5くらい】
そこで、2枚目を描く時には、青を少し足して色を調整し、薄い青の下地に仕上げることができました。
【2枚目の比率:ジェッソ10に対して青2くらい】

ところが、試してみたら、色の効果に驚きました。青空のイメージがしやすくなったんです。
【実践】ジェッソとアクリル絵の具を混ぜて使う手順
■↑キャンバスボードにジェッソとアクリル絵の具を混ぜたものを塗っているところです。
この章では、道具の準備から実際に混ぜる手順まで、初心者の方がつまずきやすいポイントを踏まえながら順番に説明します。
用意するもの
以下のものを準備しておくと、スムーズに作業ができます。
- ジェッソ
- アクリル絵の具(お好みの色)
- 混ぜるためのパレットナイフまたは筆
- ペーパーパレット
- 下地を塗るキャンバスや木製パネル、紙など
パレットは、ペーパーパレットがおすすめです。
アクリルは乾くと固まって落ちにくくなるので、洗う手間がなく、制作のテンポがスムーズです。
混ぜる手順とポイント
- パレットの上にジェッソを必要な量だけ出します。
- そこに少量のアクリル絵の具を加えます。
- パレットナイフでよく練り混ぜ、色ムラがなくなるまで混ぜ合わせます。
- 端材やスケッチブックの端に試し塗りをして、色と質感を確認します。
- 問題なければ、本番のキャンバスやパネルに塗っていきます。
一度に大量の色を混ぜてしまうと、途中で「濃すぎた」と感じても引き返しにくくなります。
必ず少量ずつ絵の具を加えながら、その都度色味を確認する進め方が失敗を防ぐコツです。

素材別・目的別の使い分け方(キャンバス・木製パネル・紙)
同じジェッソとアクリル絵の具の組み合わせでも、塗る素材によって仕上がりの印象は変わります。
ここでは代表的な素材ごとの特徴を整理します。
キャンバス

キャンバスに塗る場合は、布の織り目が生きるため、薄めに塗ることで独特のマットな質感を活かせます。
アクリル絵の具を混ぜた場合も同じで、薄めに塗るのがおすすめです。
ただし、水を入れすぎると定着が弱くなることがあります。水で薄めるのは、ジェッソに対して1〜2割までを目安にしてください。
絵の具を混ぜたときは水は控えめにしましょう。
■↓キャンバスに下地を塗る様子や、下地のありなし比較などの記事はこちらです。ぜひ参考にしてくださいね。
木製パネル

薄く塗って、乾燥させて、また薄く塗ってを繰り返し、3回塗りました。
下地に色をつけておいたことで、猫の毛色も背景の色もスッとなじんで、描きやすくなりました。
木製パネルに塗る場合は、木目の吸い込みが強いことがあるため、1回で仕上げようとせず、薄く重ね塗りをする方が色ムラを防ぎやすくなります。
水は足さず、そのまま薄く塗るほうがいいです。のびが悪いなと感じたら、ほんの少し水分を足して調整してみましょう。
■↓木製パネルにアクリル絵の具で猫の絵を描く方法を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。
紙
紙に塗る場合は、水分量が多いとシワになりやすいので、ジェッソと絵の具を混ぜたものも心持ち少なめの水分量で扱うことがポイントです。
厚口の水彩紙(300g/m²前後以上)を選びましょう。
ジェッソとアクリル絵の具を混ぜて使うときにありがちな失敗と改善策
この章では、ジェッソとアクリル絵の具を混ぜる際に起こりやすい失敗と、その防ぎ方を具体的に紹介します。
作りすぎてしまった!
よくある失敗の一つが、混ぜる量の見誤りです。
必要な量より多く作りすぎると、乾く前に使い切れず無駄になってしまいます。
【改善策】
・一度に使う分だけを、少しずつ作る
・足りなくなったら、その都度少量ずつ追加で混ぜる
乾いていないのに次の作業に進んでしまった!
ありがちな失敗として、乾燥時間を待たずに次の工程に進んでしまうことがあります。
ジェッソと絵の具を混ぜたものは、通常のジェッソよりも乾きにムラが出やすいことがあります。
原因は主に次の3つです。
・厚く塗りすぎた
・湿度が高い、気温が低い
・水で薄めすぎた
【改善策】
・一度に厚く塗らず、薄く塗って乾かし、また塗るを繰り返す
・薄塗りなら、目安として15〜30分ほど待つ
・表面を軽く触って、ひんやり湿った感じがなく、指に絵の具がつかないか確認してから次に進む
上に重ねる絵の具が定着しない!
ジェッソに対してアクリル絵の具の割合が多すぎると、ジェッソ本来の目止め効果が弱まり、上に重ねる絵の具の定着が悪くなることがあります。
【改善策】
・下地としての機能を残したい場合は、アクリル絵の具の量を控えめにしてください。
【Q & A】ジェッソとアクリル絵の具を混ぜることについてよくある質問

Q. ジェッソとアクリル絵の具はどんな比率で混ぜればいいですか?
A.最初はジェッソ10に対して絵の具1程度から始めましょう。
下地の質感を残したい場合はジェッソ10に対して絵の具1程度、色をしっかり出したい場合は絵の具の量を増やしていきます。
素材や絵の具の種類によって発色は変わるため、必ず試し塗りをしてから本番に進んでください。

Q. 色付きのジェッソと、自分で色を混ぜたジェッソはどちらがいいですか?
A.作りたい作品に合わせて選びましょう。
安定した色ムラの少なさを求めるなら市販のカラージェッソ、自分好みの微妙な色味を作りたいなら手混ぜがおすすめです。
どちらも一長一短なので、 作りたい作品の雰囲気に合わせて 選んでみてください。
Q. 混ぜたジェッソは保存できますか?
A.長期保存はしない方が無難です。
時間がたつと品質が変化する可能性(乾いて固まってしまったりする)があるため、その都度使う分だけ作ることを推奨します。
Q. ジェッソなしでアクリル絵の具を塗るとどうなりますか?
A.発色が沈んだり、塗りにくく感じたりすることがあります。
「絶対に描けない」わけではありませんが、塗り心地・発色・作品の持ちを良くしたいなら、ジェッソをひと塗りしておくのが安心です。
市販の「アクリル用下地処理済みキャンバス」を使うなら、そのまま描いてしまっても大丈夫です!
Q. ジェッソに水彩絵の具やポスターカラーは混ぜていいですか?
A.結論から言うと、混ぜることはおすすめしません。
ジェッソに混ぜていいのはアクリル絵の具だけ。
水彩やポスターカラーを混ぜると「水に溶けない強い下地」というジェッソのメリットが消えてしまいます!
Q. ジェッソの上からアクリル絵の具は何時間後に塗れますか?
A.気温や湿度、塗り方によって変わります。
目安は夏場で約1〜2時間、冬場や湿気の多い時期で約2〜4時間です。
薄塗りなら1〜2時間、しっかり塗ったなら数時間〜一晩置くのが安心の目安です!
さらに、画面を触ったときに冷たくないか?が描き始めのサインになります。
急ぐ時はドライヤーを!少し離して弱温風〜冷風を全体に当てるのがコツです。
【まとめ】ジェッソとアクリル絵の具を混ぜて楽しもう!
ジェッソとアクリル絵の具は、同じアクリル樹脂をベースにした画材同士なので、安心して混ぜて使うことができます。
比率を少しずつ変えるだけで、下地の質感や色味の印象は大きく変わります。
・比率はジェッソ多めから試すのが安心
・少量ずつ混ぜて試し塗りをすることが失敗を防ぐコツ

このブログでは、アクリル絵の具と猫の絵に関することをやさしく簡単に紹介しています。
また、YouTubeではわかりやすく動画でご覧いただけるように工夫しています。
よろしくお願いします!
※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

























