こんにちは!
猫を愛するアクリル画家、松井京丸です。

↑「夜空を飛ぶ猫」
今回はパレットについたアクリル絵の具の落とし方について解説していきます。
アクリル絵の具は、 乾くとカチカチに固まってしまいます 。
パレット上のアクリル絵の具が完全に固まってしまうと、なかなかやっかいなことになります。
せっかく楽しく絵を描いていたのに
パレットの上で固まったアクリル絵の具を前に、肩を落とすことに……。

そのような苦い体験をこれからはもう味わうことのないように
パレットについたアクリル絵の具の落とし方や
もう固まったアクリル絵の具で嘆かなくても済む方法を模索しました。
この記事ではこんな人に役に立つ記事になっています。
●パレットについてしまったアクリル絵の具を落としたい
●ストレスなくアクリル絵の具を使いたい
●パレットに残ったアクリル絵の具を捨ててしまうのはもったいない
アクリル絵の具の特性
落とし方を見ていく前に、まずはアクリル絵の具の特性を知りましょう。
アクリル絵の具の特徴を知って、そこをうまく活用したり、さらには攻略していきましょう!
アクリル絵の具は「速乾性」がある
アクリル絵の具は乾くのが速いのが特徴です。
その乾くスピードがとても速いのです!
そのアクリル絵の具の速乾性は、スピード感のある制作・重ね塗りには最適なのです。
乾く時間の目安
●表面が乾くまで:5〜20分程度(厚みや気温・湿度による)
●完全に乾燥するまで:1〜数時間(厚塗り・メディウムの有無による)

速乾性のメリット
| ポイント | 内容 |
| レイヤー重ねがすぐできる | すぐ乾くから、短時間で何層も塗れる。 |
| 色がにじみにくい | 水彩と違って、上から塗っても色が流れない。 |
| 持ち運びやスピード製作に向いてる | 乾くのを待たずに、次に進める。 |
| 乾いたら耐水性になる | 上から水を塗っても溶けないから、技法の幅が広がる。 |
速乾性のデメリット(注意点)
| ポイント | 内容と対策 |
| パレット上で乾いてしまう | 「リターダー」や「ウェットパレット」を使うと◎ |
| 混色やぼかしが難しい | 速く乾くので工夫が必要 |
| 修正がしにくい | 乾いた後の修正は上から塗り重ねるしかない(溶かせない) |
| 筆がすぐ固まる | こまめに洗う習慣をつけましょう |

アクリル絵の具は「耐水性」がある
アクリル絵の具は、水で溶ける水性の絵の具ですが、 乾くと耐水性 (=水では落ちない)になるという性質があるのが特徴です。
アクリル絵の具の耐水性(水に強い性質)は、他の水性絵の具と大きく違う、とても重要なポイントになります。
アクリル絵の具の「耐水性」って?
アクリル絵の具は、乾くと水では溶けなくなるという特性を持っています。
●濡れている間は → 水に溶ける(=水彩っぽく使える)
●乾いた後は → 水に溶けない!(=耐水性になる)
これは「アクリル樹脂(アクリルポリマー)」が固まってプラスチック状の膜をつくるから。

アクリル絵の具の耐水性のメリット
| メリット | 説明 |
| 重ね塗りがしやすい | 下の色がにじまない。乾かせば何層もOK! |
| 発色が安定する | 水で薄まらないので、色が鮮やかに見える |
| 屋外作品にも使える | ポスターや壁画など、濡れる環境にも対応できる |
| 布や木材にも定着する | アイロンやニスで定着させれば洗ってもOKな場合も |
耐水性のデメリット(注意点)
| 注意点 | 説明 |
| パレットや筆に絵の具が固着する | 一度乾くと水では落ちない。使い終わったらすぐ洗って! |
| 乾いた後は修正がしにくい | 水でぼかしたり、色を溶かしたりできない(上から塗るしかない) |
| 間違って描いた部分を拭いて消せない | 水で濡らしても落ちない |
| 完全乾燥までに濡れるとムラになることも | 特に厚塗り作品は「表面は乾いていても中が乾いてない」ことがあるので注意! |

アクリル絵の具は「いろんな物」に描ける
アクリル絵の具の最大の魅力のひとつが、「 いろんな素材に描ける(=高い密着力・定着力) 」になります!
アクリル絵の具は、乾くとアクリル樹脂の膜(=プラスチックみたいなもの)になります。
これが、いろんな表面にぴたっとくっつく性質(接着性)を持っているので、いろいろな物に描けるのです。
この特徴をうまく活かす と、紙やキャンバスだけじゃなく、布・木・ガラス・プラスチックなど幅広いものに「アート」ができます。
アクリル絵の具はどんな素材に描けるの?
| 素材 | 描ける? | ポイント・注意点 |
| 紙・画用紙・水彩紙 | ◎ | 吸収性がよく、描きやすい |
| キャンバス(布張り) | ◎ | アクリル画の定番。発色も良い |
| 木(木製パネル・板など) | ◎ | ざらざらしていて絵の具がよく乗る。下地処理でさらに定着◎ |
| 布(Tシャツ・バッグなど) | ◎ | 描けるけど、定着には工夫が必要 |
| プラスチック・アクリル板 | ○ | つるつる面には密着しづらい。プライマーや上から保護ニスが有効 |
| ガラス・鏡 | △ | 一応描けるが、はがれやすい |
| 金属(缶・ブリキ・アルミなど) | △ | やや密着力が弱い。サンディング&ニスが必要な場合も |
| 石・陶器・植木鉢 | ◎ | 表面が粗ければよく定着する!アクリル絵の具で人気の素材 |
| 皮革・ビニール素材 | △ | ものによる。柔らかい素材はひび割れることも |
パレットについたアクリル絵の具の落とし方
これまで見てきたように、 アクリル絵の具には速乾性、耐水性、高い密着力・定着力 があります。
その特性ゆえに、乾いてしまうと、キレイに落とすにはかなりの困難です。

アクリル絵の具を落とすのに便利な道具
| スポンジ | 一般的なキッチン用のものでオッケー。 |
| 歯ブラシ | 使い古したものでオッケー。100均には5~6本入りのものも売っています。 |
| メラミンスポンジ | 100均やドラックストアで手に入ります。 |
| 消しゴム | 文房具店で手に入る一般的なものでオッケー。 |
| 中性洗剤 | キッチンの食器用洗剤や洗濯洗剤。 |
| ヘラ・スクレーパー | どちらも100均で手に入ります。 |
↑左から、スポンジ・歯ブラシ・消しゴム・台所用洗剤(かわいいネコの入れ物はセリアで買いました)・ヘラ代わりのカード(使用済み期限切れのカードなどを利用)になります。

乾いていない場合
描き終わったらすぐに水で流します。
その後、中性洗剤とスポンジや歯ブラシでこすります。
乾いていなければ簡単に落とすことが出来ます。
注意点としては、けっして、 使っていた筆で落としたりしないで ください。
筆も洗えるので一石二鳥!
などと、思われるかもしれませんが、大切な筆がダメになってしまいます。
絵の具落としには専用の道具を用意しましょう。

乾いてしまっている場合
↑固まってしまったパレット上のアクリル絵の具
乾いてしまったアクリル絵の具には、以下の方法を試してみてください。
方法①:ペリッとはがす
アクリル絵の具はつるつるした面なら、乾くと固まって浮いてくる
爪やヘラなどで、端からペリペリと剥がせることも!
プラスチックパレット or 牛乳パックなどでは、この方法がラクです!
↑牛乳パレットの上で乾いてしまったアクリル絵の具をはがしています!
方法②:水にしばらく浸け置きする(数時間~半日)
乾いた絵の具でも、水に長く浸すと少し柔らかくなます。
その後、ヘラやスクレーパーでこそげ取ると◎
あわせてスポンジでこすって落とすとキレイに!
水分を拭いてから消しゴムでこするのも効果があります。
方法③:アクリルリムーバーを使う(おすすめ)
画材メーカーから出ている 専用のクリーナー があります。
●ターナー「アクリルエコリムーバー」
アクリル絵の具が固着した筆やパレットなどを復活させることができます。
生分解性の水溶性溶剤を使用していて、そのまま下水に流しても環境を汚さないそうです。
●リキテックスプライム「バーニッシュリムーバー」
絵画の仕上げに使用するバーニッシュを除去する効果のある商品ですが
乾いた絵の具を落とすこともできるという記載があります。
●ホルベイン「画用液強力水性ネオクリーナー」
パレットについたアクリル絵の具を強力に落とします。
<使い方>
(1)パレットに少量のリムーバーを塗る
(2)10~30分ほど放置(固まり具合による)
(3)ヘラや布でふき取り&洗浄
※添付文書や注意書きをよく読んでから使用してください。
注意:換気&手袋を忘れずに!

↓「服」についてしまったアクリル絵の具を取る方法を解説している記事はこちら。
完全に固まってしまっている場合
カチカチに固まってしまっている場合は、残念ながら完全にキレイにすることは難しいです。
そうならないためにも、使い終わったらすぐに洗うことを徹底することが大事です。
以下には、 後から困らないための工夫 を紹介しています。
ストレスフリーなパレットの使い方
後片付けのことをあらかじめ考えてから絵を描くのがポイントです。
片付けをラクにするコツ
いくつかの工夫を紹介していきます。
取り入れやすいものから試してみてくださいね。
使い捨て or 洗いやすいパレットに変えてみよう!
| パレットタイプ | 特徴 |
| 牛乳パックを切ったもの | 使い捨てできて便利!内側がツルツルしてて剥がしやすい |
| 白いお皿(100均の物で可) | 陶器は洗いやすく、発色も確認しやすい |
| ガラス or アクリル板 | 絵の具が乾いてもヘラで簡単に剥がせる |
| クッキングシート | 上に絵の具を出して、終わったらポイッと捨てられる |
| ウェットパレット | 乾きにくく、こびりつきにくい! |
落とし方を考えなくていい紙パレット
紙パレットなら、そもそもアクリル絵の具を落とすことを考えなくてすみます。
使用した部分だけを破棄すればオッケーです。
●ホルベイン「ペーパーパレット」
様々な絵の具に利用できるペーパーパレットです。
サイズも種類があります。サイズによって25~30枚綴りになっています。
牛乳パックも超オススメ!
市販の紙パレットも良いのですが、牛乳をよく飲む方なら、牛乳パックの再利用が超おススメです。
飲み終えた牛乳パックを洗って乾かしたら、ハサミで切って開けばオッケーです。

ウェットパレットとは?
アクリル絵の具が乾かないように保ってくれる、魔法のパレットです!
内部に水分を含んだ紙やスポンジを敷くことで、
絵の具にほんのり湿気が伝わって、長時間、乾かずに使えるようになります。
<作り方>(5分でできる!)
(1)タッパーに水を少し入れる(底が濡れる程度)
(2)キッチンペーパーを重ねて敷く。
水をしっかり吸わせて、底を覆うように。少し押してなじませます。
(3)その上にクッキングシートを敷く
キッチンペーパーの上に、ピタッと密着させて置く。絵の具はこのクッキングシートの上に出す!
(4)ふたをして保存OK!

乾かさないよう工夫する
アクリル絵の具は速乾性と耐水性という特色をもっています。
乾いてしまわないように、途中で水スプレーをこまめにかけるのがおすすめです。
100均にも売っている化粧水などを入れるスプレーに水を入れて
手元に置いておきましょう。
次回へのパレット保存方法
絵の具を作りすぎた 時や、 同じ混色の絵の具を次回も使いたい 時など、
使用後のアクリル絵の具が乗ったパレットに水スプレーをたっぷりかけて、ラップをします。
さらにそれをプラスチックの書類ケースに収納します。
これで1週間くらいはキープできます。
↑写真の書類ケースはA4サイズで牛乳パックパレットがピッタリ入ります。100均で購入しました。
まとめ:パレットに着いたアクリル絵の具を落としたい方へ
パレットに着いたアクリル絵の具の落とし方を見てきました。
アクリル絵の具には、 速乾性、耐水性、高い密着力・定着力 という特徴がありました。
それらは全てアクリル画を描く際に大きな魅力となります。
しかし、使い方を間違えると、ちょっとめんどくさいことにもなり得ます。
そこをうまく押さえて、デメリットにも見えるようなことも回避していきましょう!

白くて色が見やすいし、丈夫だし、大きさも適度で使い勝手が良いんです。
何より使い終わったら、そのまま捨てることが出来るので落チンです。
いろいろ工夫して 楽しい絵描きライフを 送りましょう!
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