こんにちは!
元看護師のアクリル画家、松井京丸です。
2匹の愛猫と暮らしながら、癒しと解放をテーマに制作活動をしています。
猫飼い歴は25年以上になります。
『瞬きのあいだ』© 2026 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)
大好きな動物の絵を描いてみたい と思っても、どこから手をつければいいのか分からず、途中で手が止まってしまうことは多いものです。 身近にいる犬や猫も、動物にはそれぞれ違う体の仕組み があり、なんとなくで描き始めてしまうとバランスが崩れてしまいがちです。

本記事では、毎日アクリル絵の具を扱うプロの画家としての知見と、
元看護師ならではの実験的・科学的な視点、
さらには、猫飼い歴25年以上の経験も踏まえて、
動物の骨格や筋肉といった基本の構造から、アタリの取り方、線画、着彩まで、動物画を描くための一連の流れを順番に解説していきます。
動物画を上手く描けるようになる練習方法10個の紹介もしています。
さらに、実際に描いている猫の絵を例にしながら、毛並みをリアルに見せるための具体的なテクニックにも踏み込んでいきます。
最後まで読んでいただくことで、動物画に対する苦手意識が薄れ、自分の手で動物の魅力を表現できるようになるはずです。
この記事では、動物画の中でも、日常的に馴染みの深い「犬」と「猫」に特化して解説しています。
【基礎知識】動物画を描く前に知っておきたい基本の考え方
動物画には大きく分けて、写実的に描く「リアル表現」と、丸みや誇張を加えた「デフォルメ表現」の2つのスタイルがあります。
この章では、この2つの違いと、動物画に挑戦した人がつまずきやすいポイントを先に整理しておきます。
自分がどちらの方向性を目指したいのかを最初に意識しておくと、この後の練習や参考資料選びの効率がぐっと上がります。
リアルとデフォルメ、2つの表現スタイルの違い
リアル表現は、骨格や筋肉、毛並みの質感まで観察して再現するスタイルです。
一方でデフォルメ表現は、体のパーツを丸や楕円などのシンプルな形に置き換え、可愛らしさや親しみやすさを強調するスタイルです。
どちらの表現方法であっても、土台になるのは動物の体の構造を理解することです。
構造を理解したうえで誇張するのか、そのまま再現するのかが分かれ道になるからです。
以下の2枚の画像は、どちらも愛猫クッキーをモデルにしています。
こちらは、「リアル表現」のアクリル画です。
『春うまれ』© 2026 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)
こちらは「デフォルメ表現」のペン&色鉛筆画です。
『癒しの時間』© 2023 アクリル・ネコ/松井京丸(水性ペン、色鉛筆)
動物画で挫折しやすいポイントとその理由
動物画を描き始めた人の多くは、輪郭線だけをなぞって描いてしまい、体の厚みや奥行きが表現できずに平面的な絵になってしまいます。
これは、目に見える輪郭だけを追いかけて、内側にある骨格や筋肉の存在を意識していないために起こります。
次の章から、この骨格と筋肉の考え方を具体的に見ていきます。
【基本構造】動物の「骨格」と「筋肉」を理解しよう
動物画を描くうえで欠かせないのが、骨格と筋肉という「体の内側の構造」を理解することです。
この章では、犬猫の体の特徴や、関節の位置がポーズにどう影響するのかを解説します。
構造を頭に入れておくことで、参考資料がない状態でも自分の力で自然なポーズを描けるようになります。
犬と猫、体の捉え方
犬や猫などの四足動物は、背骨を中心にした胴体に、4本の脚がぶら下がるような構造をしています。
犬や猫のひざにあたる関節は体の高い位置にあります。
地面に近い部分は人間で言うかかとにあたります。
猫と人間とで比較するとわかりやすいです。
これは、前脚と人間の腕を並べたものです。
こちらは後脚と人間の脚です。 関節の向きとつま先立ちに注目 です。
骨や関節の位置が動物らしさを決める
■↑猫の骨格の簡易的な模式図になります。
肩や腰、ひざといった関節の位置を正しく把握しておくと、走っている姿や座っている姿など、どんなポーズでも破綻しにくくなります。
関節を無視して滑らかな線だけで体をつなげてしまうと、骨のない生き物のように見えてしまうため注意が必要です。
まずは簡単な骨格図を見ながら、関節の位置に点を打つ練習から始めることをおすすめします。
【バランス】動物画に欠かせないアタリと背骨ライン
体の構造を理解したら、次はそれを絵に落とし込むための「アタリ」の取り方を学んでいきます。
この章では、円や楕円といったシンプルな図形を組み合わせて、動物の全体のバランスを崩さずに描き始める方法を紹介します。
楕円と円で体のパーツを分解する:アタリを取る
座っているコーギーのアタリを取っていきます。
- 全体の大きさをとらえます。
- 頭の位置に丸を描きます。
- 胸の丸を描いて頭とつながる首の線を入れます。足元と腰の丸を描きます。

- 体の中の骨組みをイメージします。
- 前脚と後ろ足を描き足します。
- 顔などの細かい部分を描き進めていきます。
この段階では毛並みや模様は無視してかまいません。
図形同士の大きさの比率と配置さえ正しければ、後から輪郭を整えるだけで自然な動物の形になります。
動物の動きやポーズを自然に見せるコツ:背骨のライン
背骨にあたる部分に1本の線を通し、その線に沿って体をひねらせることで、静止した絵でも躍動感を出すことができます。
まっすぐな背骨で描いてしまうと、動物がどこか棒立ちのような硬い印象になってしまいます。
背骨のラインを意識するだけで、同じポーズでも一気に自然な仕上がりに近づきます。
(1)背骨のカーブを描きます。頭、手足の骨格をとります。
(2)肉付けをしていきます。
(3)さらに細かい部分も描き足していきます。
(4)ペン入れして完成です。

■↓絵のバランスを整えて上手に描けるようになるコツを解説しています。ぜひ参考にしてくださいね
【実践】動物画の描き方のポイント3つ|線画から着彩まで
アタリが取れたら、いよいよ線画を仕上げ、色を塗っていく工程に入ります。
この章では、線画を整えるときの視点と、リアル調・デフォルメ調それぞれの塗り方のポイントを分けて解説します。
同じアタリからでも、線と色の選び方次第で仕上がりの印象は大きく変わってきます。
線画を仕上げるときに意識すること
アタリの図形の上から、実際の輪郭線を描き起こしていきます。
このとき、図形の交差する部分をなめらかにつなげるのではなく、毛の流れや骨の出っ張りを意識して線に強弱をつけることが大切です。
リアル調の塗り方のポイント
リアル調では、毛の質感や陰影のグラデーションを丁寧に重ねていくことで、写実的な立体感を出していきます。
光の当たる方向を最初に1つ決めておくことが、リアルな塗りの一番の土台になります。
光源がぶれると、影の位置がパーツごとにバラバラになり、絵全体の立体感が崩れてしまうからです。
愛猫クッキーをモデルに下描きをしました。
光源は左上と決めて、少しずつ描き進めます。
デフォルメ・イラスト調の塗り方のポイント
デフォルメ調では、細かい陰影よりも、色の面をはっきり分けることを優先します。
影を1〜2色程度の単純な塗り分けにすることで、可愛らしさやポップな印象を強調できます。
こちらもクッキーをモデルにした下描きです。
ペン入れをしました。
色を塗りました。

【保存版】動物画の描き方|もっと上手くなるための練習方法10選
ここまで紹介した知識を実際の技術として身につけるためには、日々の練習の積み重ねが欠かせません。
この章では、動物画の上達に役立つ10個の練習方法を3つの種類(観察3個・知る4個・描く3個)に分けて紹介します。
いきなり全部やらなくてOK!できそうなものから3つ選んでやってみましょう!
STEP 1:まずは見る(じっくり観察)
【コツ1】動物図鑑や写真集をながめる
毛並みの生えかたや、目の透明感を高画質な写真でチェック!
【コツ2】うちの子(ペット)の手触りを感じる
「ふわふわ」「もこもこ」の温度感を手で覚えて、絵に気持ちを乗せる。
おうちにペットがいない場合は、友達の犬ちゃん猫ちゃんや、猫カフェに行くという方法もあります。
【コツ3】動画で動きの癖(クセ)を見つける
首の動かし方や歩き方など、生きてる躍動感を画面越しに観察!
YouTubeやテレビのドキュメンタリーなどもおすすめです。
STEP 2:知ってみる(かんたんコツ集め)
【コツ4】 パパッとわかる入門書を一読
難しい知識は後回し!「描く順番」だけざっくり把握する。
【コツ5】1分タイムラプス動画で流れを盗む
YouTubeやSNSの短尺動画で、プロの筆の動かし方を早回しでイメトレ!
【コツ6】SNSで「好き!」なイラストを探す
自分好みの色使いやタッチを見つけて、お手本にする。
【コツ7】巨匠の作品をじっくり観賞
名画を見て「プロはどうやって毛並みを端折って(省略して)描いてるか」をチェック。
美術館に行くのももちろん良いですし、ネット上で見ることのできる名画もたくさんあります。
STEP 3:描いてみる(実践&アウトプット)
【コツ8】骨格の「まる・さんかく・しかく」を知る
難しい解剖学じゃなくて「顔は丸、耳は三角」レベルの簡単な形から捉える。
【コツ9】5分クロッキー(ササッとスケッチ)
上手下手は気にせず、形をすばやく捉える練習で手を慣らす。
毎日少しだけでも描くことが大事です。
【コツ10】 好きなエッセイや本で愛を深める
動物の可愛さや魅力があふれる文章を読んで、描くモチベーションを最大化!
好きな絵を模写するのも良いですね。
■↓猫に関する本を厳選して10冊紹介しています。動物愛がさらに深まること間違いなし。ぜひ参考にしてくださいね
【経験談】生き生きとした動物画を描くために画家が実践していること
■↑うちの愛猫シエルの鉛筆画です。
クロッキーで動物の動きを捉える練習
■↑このクロッキー調はリビングに置いているものです。くつろいでいるときに、猫も一緒にくつろいでくれていることが多いので、クロッキーチャンスなんです。(眠い目のクッキーです)
クロッキーとは、短い時間で対象の形やポーズを素早く捉える練習方法です。
猫をはじめとした動物たちは、寝ている時以外はじっとしていません。
うちの愛猫をクロッキーするときも、すぐにポーズを変えられてしまうので、クロッキーブックのページをじゃんじゃんめくりながら、急いで描いています。

資料や写真を参考にしてじっくり描く
■↑教本を見ながら模写しました。
動物の特徴や描き方のコツを豊富な資料と共に描かれた教本は、じっくりと練習したい時にピッタリの教材です。
そこに描かれている動物の絵を模写するだけでも勉強になります。
解説を読みながら、実際に手を動かして描くことで、効率的に上達することが出来ます。

●ウェザリーの動物デッサン ネコ科を描く
写真や実物を観察する習慣をつける
動物園へ足を運んだり、ペットとの生活の中で、普段から「動物の体の動き」や「毛並みの流れ」を観察しておくことも大切な練習の一つです。
写真集やテレビのドキュメンタリーなどでもいいと思います。
例えば、途中まで描いたクロッキーに、残りの線を足して仕上げたい時など、観察していた動き方や形、毛の流れの情報が役立つのです。
動いている動物を描くときは、動物が次にどんな動きをするかをある程度予想しながら描いていきます。
それも、その動物の特徴をあらかじめ知っておくことで可能になります。
【実録】猫を例にした毛並みの描き方
ここからは、実際にモチーフにしている猫を例に、毛並みをそれらしく見せるための描き方を具体的に解説していきます。
毛流れの捉え方から、アクリル絵の具ならではの表現方法まで、実践的な内容に踏み込んでいきます。
毛流れの方向をつかむ
毛並みは、体の中心から外側に向かって、また関節の動きに沿って流れています。
毛流れを無視してランダムな方向に毛のタッチを入れてしまうと、質感がバラバラで不自然な仕上がりになってしまいます。
顔の毛流れ
体の毛流れ
まずは大きな流れを2〜3本の補助線として描き込み、その流れに沿って細かい毛のタッチを重ねていくと破綻しにくくなります。
立体感を出す陰影の入れ方
毛並みの立体感は、毛の一本一本ではなく、体の丸みに沿った大きな陰影のまとまりで作られています。
細部の毛を描き込む前に、大きな明暗のまとまりを先に決めておくことで、後から毛のタッチを足しても立体感が崩れません。
大まかな陰影を塗っているところです。
細かい毛並みを描き込んでいく前に、陰影を塗るのですが、特に模様のある猫では陰影の描き分けが難しいことがありました。
暗いところ、中間のところ、明るいところと分けていきたいのに、だんだんその区別が曖昧になってくるのです。
そんな時は、いったん画面全体を俯瞰してみて、どこから光が差し込んでいるのかを明確にイメージしました。
そのうえで、猫のポーズも確認して、どこに陰影があるのか?
どんな明暗になるのか?
確認してから、色を乗せるようにしたら、描きやすくなりました。

アクリル絵の具で毛並みを表現するテクニック
そのため、毛並みを表現するときは、薄い色から濃い色へと重ね塗りをしながら、細い筆で毛のタッチを一本ずつ足していく描き方が向いています。
パレットの上で色を作りすぎず、少量ずつ紙やキャンバスに置いていくことで、乾燥による色の変化にも対応しやすくなります。
ベースの色の上に毛並みを描き込んでいる様子です。
実際に猫を描いている時の様子がこちらです。
この時に使用したアクリル絵の具と筆です。青は影の部分に使用しました。

毛並みを描く時などは、目に見える正しい色というよりも、その子のイメージカラーを少し描き込んだりもします。
そうすると、雰囲気がグッと変わるんですよ。
【Q & A】動物画の描き方についてよくある質問

Q:100均の画材でも動物画を描くことは出来ますか?
A:もちろん描くことが出来ます。
ダイソーやセリアなどの100円ショップには、驚くほど豊富な絵の具や画材が置いてあります。
これらはすべて100円という低価格で購入できるため、特に初心者さんには絵を描くというハードルが低くなりますね。
まずは気軽に描いてみたい!という方にピッタリだと思います。
描いているうちにこだわりたくなったら、メーカー品を試すというのもいいのではないでしょうか。

Q:動物画は何から練習を始めればいいですか?
A.好きな動物を簡単な図形でアタリを取ってみましょう。
まずは円や楕円などの簡単な図形で全体のアタリを取る練習から始めることをおすすめします。
細部よりも先に、体全体のバランスを図形で捉える感覚を身につけることが上達の近道です。

Q: リアル調とデフォルメ調、どちらを先に練習すべきですか?
A.どちらかと言うとリアル調がおすすめです。
好きな動物を描きたい方法で描くので、もちろん構いません。
ただ、どちらのスタイルであっても骨格や筋肉の構造理解が土台になります。
なので、まずは構造を意識したリアル調の練習を通して体の仕組みを理解し、その後にデフォルメへ挑戦する順番がおすすめです。
Q:アクリル絵の具は動物画に向いていますか?
A.向いています。
アクリル絵の具は乾燥が早く重ね塗りがしやすいため、毛並みのような細かいタッチを重ねていく表現に向いています。
ただし乾きの早さを踏まえた色作りや筆運びの工夫が必要です。

【まとめ】動物画の描き方は難しくない癒しの時間
動物画は、骨格や筋肉といった体の内側の構造を理解し、アタリで全体のバランスを作ってから、線画・着彩へと進めていくことで、初心者でも破綻の少ない絵に近づけることができます。
特に毛並みの表現は、毛流れの方向と大きな陰影のまとまりを先に決めることが、リアルさを出すための重要なポイントです。
デフォルメの場合は、その子の特徴を大げさにして、可愛さ全開にしていきましょう!
一気に上手く描こうとせず、構造の理解とクロッキーの積み重ねを続けていくことが、遠回りのようで一番の近道です。
動物たちの絵を描くことは、それ自体が癒しの時間です。 描いているという過程そのものが尊い時間ですので、ぜひそれを楽しんでくださいね。
このブログでは、アクリル絵の具と猫の絵に関することをやさしく簡単に紹介しています。
また、YouTubeではわかりやすく動画でご覧いただけるように工夫しています。
よろしくお願いします!
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