こんにちは!
猫を愛するアクリル画家、松井京丸です。
↑「夜空を飛ぶ猫」(アクリル絵の具使用)
「絵を描くための道具」はたくさんありますよね!
これから絵を描いてみたいと思ってる!という方もいれば
ある程度描いているけど何か違った画材も試してみたい!という方もいるでしょう。
「アクリル絵の具」と「油絵の具」どちらを使えばいいのか迷っている 方もいるのではないでしょうか?
今回は、「アクリル絵の具」と「油絵の具」の違いについて解説します。

しかし、性質や扱い方にははっきりとした違いがあります。
今回は、 それぞれの特徴をわかりやすく整理 して、
あなたの表現スタイルにぴったりな絵の具を見つけるお手伝いをします。
こんな方に役立つ記事になっています。
●アクリル絵の具と油絵の具の違いを知りたい
●アクリル絵の具の特徴を知りたい
●油絵の具の特徴を知りたい
●自分の作風に合った絵の具を見つけたい
それではよろしくお願いします!
アクリル絵の具と油絵の具の「基本比較」
まずは、アクリル絵の具と油絵の具、それぞれがどんな性質を持っているのか見ていきましょう。
乾く速さの違い:アクリル絵の具は速乾、油絵の具はじっくり
アクリル絵の具は水性で、塗ってから数分〜数十分で乾きます。
思いついたままにサッと描きたい人や スピーディーに作業を進めたい人に ぴったり。
油絵の具は乾くまで数日〜数週間かかることもあり、
ゆっくりと色を混ぜて描き進めたい人に 向いています。
溶かす液の違い:アクリル絵の具は水、油絵の具は油
アクリル絵の具は水で薄めて使えるので、
描き始めるのも手軽で片付けも簡単です。
一方、油絵の具は油の溶剤を使い、独特の匂いがあります。
そのぶん「ツヤと深み」のある質感を生み出すことが出来ます。
匂いと扱いやすさの違い:作業環境の快適さが変わる
アクリル絵の具はほぼ無臭で、室内作業でも安心です。
油絵の具は匂いがあるため換気が必要ですが、
じっくり制作できる環境が整っていれば使っていけます。

アクリル絵の具と油絵の具の「違い比較表」
アクリル絵の具と油絵の具の違いについて比較した表です。
基本スペックについては記載の通りですが、
向いているスタイルや扱いやすさなどは、個人で各々違うところもあるかとは思います。
違いを知ったうえで、自分にはどちらが合うのか考えてみましょう。
| 比較項目 | アクリル絵の具 | 油絵の具 |
| 成分 | 顔料+アクリル樹脂 | 顔料+乾燥油 |
| 溶液 | 水 | 油(ポピーオイルやテレピン油など) |
| 乾く速さ | 速い(数分〜数十分) | 遅い(数日〜数週間) |
| 匂い | ほとんどなし | やや強い(換気が必要) |
| 発色 | 明るく鮮やか | 深くツヤがある |
| 重ね塗り | 下の色がにじまない | 混ざりやすい |
| 筆洗い | 水 | 専用の溶液が必要 |
| 作業環境 | 室内でも安心 | 換気のできる環境 |
| 扱いやすさ | 手軽で初心者向け | 慣れが必要 |
| 向いているスタイル | 抽象画、イラスト | 人物画、風景画 |

アクリル絵の具の特徴
アクリル絵の具の魅力・特徴、メリット、デメリットについてあげていきます。
アクリル絵の具の魅力・特徴
アクリルは発色がよく、マットやツヤなどを自在にコントロールできます。
イラストレーションなどポップで現代的な印象の作品にぴったりです。
また、すぐに乾くので重ね塗りなどをすぐに行うことが出来ます。
スピーディに作業がはかどります。
アクリル絵の具で描いてみました
■左から、チューブからそのまま出した状態、ペインティングナイフで伸ばした状態、筆で伸ばした状態、水を含ませて伸ばした状態です。
みずみずしくて、美しく明るい発色が伝わるでしょうか。
いつも使っている絵の具なので、安心して取り扱うことが出来ました。
やはり、色の奇麗さ、絵の具のなめらかさ、使った道具の扱いやすさが大きな魅力だなと改めて思いました。
以下の絵の具を使いました
↑リキテックスプライム(コバルトブルー、ペリレーンレッド、イエローミディアムアゾ)
■参考作品「海辺で戯れる三匹の猫」
アクリル絵の具を使って描きました。水を含ませながらグラデーションを描き、
それが乾いた上に白い絵の具を厚めにペインティングナイフを使って乗せました。
このように盛り上がった絵の具も、アクリル絵の具ならすぐに乾いてくれます。
■アクリル絵の具(リキテックス・プライム)
アクリル絵の具のメリット
アクリル絵の具のメリットはたくさんあります。
| 準備や後片付けが楽チン | 水で溶いて描けるので、準備も水を用意すればOK。後片付けで、画材を洗うのも水で大丈夫。その分ハードルが低く始めやすい。 |
| 臭いが気にならない | 部屋の中で気軽に楽しめます。 |
| 作業がサクサク進む | 速乾性のおかげでスピーディーに作業できます。 |
| 様々な物に描くことが出来る | キャンバスやパネルだけでなく、木材や石などにも描けるので、楽しみが広がります。 |
| 様々な効果を楽しめる | メディウムを使うとさらにアクリル絵の具の可能性が広がります。 |
アクリル絵の具のデメリット
メリットだと思えることも、時と場合によってはデメリットにもなってしまいます。
画材はすぐに洗ってしまう、グラデーションを描く際は水スプレーを活用するなど、工夫次第で乗り切ることが出来ます。
| 速乾性によるデメリットもあり | 筆やパレットや服につくと、すぐに洗わないと取れなくなってしまう。
グラデーションなどに時間をかけることが出来ない。 |
| 平滑な画面になる | 平べったい印象になりがち。 |
| 色の再現性 | 乾くと水分が蒸発することで色合いが変化してしまいます。 |
↓アクリル絵の具が「服」についてしまったときの対処法はこちら。
↓パレットについたアクリル絵の具の落とし方はこちらの記事です。

油絵の具の特徴
油絵の具の魅力・特徴、メリット、デメリットについてあげていきます。
油絵の具の魅力・特徴
油絵は乾くまでの時間を活かし、滑らかなグラデーションや厚塗りが可能です。
ジックリと描き進めることが出来ます。
深みがあって存在感のある作品に仕上がります。
油絵の具で描いてみました
左から、チューブからそのまま出した状態、ペインティングナイフで伸ばした状態、筆で伸ばした状態、ペインティングオイルを含ませて伸ばした状態です。
滑らかな潤い感があるのが伝わるでしょうか。
油が入っているだけあって、しっとりしています。
久しぶりに油絵の具を出してきたのですが、やはり特有の匂いは気になりました。
でも、それも、描いてるうちに忘れるくらいの感じではあります。
なので、ちょっとまた油絵の具も使ってみようかなーなんて思ったりもしました。
グラデーションを描くのに、すごく時間をかけてゆっくりできたのを思い出して
これは本当に 油絵の具ならでは だなと思いました。
使った絵の具と道具はこちらです
↑クサカベ(コバルトブルーヒュー、ピュアレッド、パーマネントイエローレモン、ネオペインティングオイル)
■油絵の具(クサカベ)
■ ネオペインティングオイル(クサカベ)
油絵の具のメリット
長年、愛され続けてきた油絵の具ゆえにメリットはたくさんあります。
| 乾くのが遅い | ゆっくりと時間をかけて描くことができる。
グラデーションを描きやすい。 修正も容易にできる。 |
| 立体的な表現 | 絵の具を厚く盛り上げたり、筆のタッチや絵の具のデコボコなどで立体的な表現が可能です。 |
| 色の透明感 | 顔料を油で溶かすことにより透明度やツヤが生まれます。 |
| 本格的な雰囲気 | 画面全体の風合いに威厳があります。 |
油絵の具のデメリット
絵の具の王様と称される油絵の具にも、気になるところはあります。
準備や後片付けの手間も、絵を描く一貫だと思えばデメリットではないかもしれません。
| 準備や後片付けに手間がかかる | 絵の具を溶く油、筆を洗う油などを用意しなくてはいけない。 |
| 乾くのが遅い | 作業スピードが落ちる。 |
| 匂いが気になる | 換気が必須。 |

アクリル絵の具と油絵の具、あなたに合うのはどっち?
改めて、どちらの絵の具が自分に合うのかどうか、考えてみましょう。
初心者さんにオススメなのは?
準備も後片づけも簡単なアクリル絵の具は、気軽に描きたい人や初心者さんにぴったり。
紙やキャンバス、木材など、素材を選ばず使えるのも魅力です。

時間をかけてじっくり描きたいなら?
油絵は乾くまでの時間を活かして、色を練り重ねながら描けます。
完成までに時間はかかりますが、そのぶん奥行きと重厚感が生まれます。

どんな創作タイプなのかで選ぶ
| 創作タイプ | 絵の具の種類 |
| スピーディに作業したい | アクリル絵の具 |
| ゆっくり丁寧に描きたい | 油絵の具 |
| 短時間で完成させたい | アクリル絵の具 |
| なめらかにグラデーションを描きたい | 油絵の具 |
| 野外の作品 | アクリル絵の具 |
| 重厚感や深みを出したい | 油絵の具 |
初心者さんもベテランさんも自分のスタイルに合わせて選ぼう
アクリル絵の具も油絵の具も、どちらもとても魅力的な絵の具です。
まずはアクリル絵の具で自由に描いてみて、慣れてきたら油絵の具の深い表現にも挑戦してみるというのも、自分の表現の幅がぐんと広がるかなと思います。
自分の描きたい絵、絵を描く環境などを照らし合わせて、試していきましょう。
また、 ふたつの絵の具を併用して描くことも 出来ます。
アクリル絵の具で下地を描いてから、その上に油絵の具で描くことができます。
油絵の具の上にアクリル絵の具を使うことはできないので、そこは注意してください。
しかし、 油絵の具の上にも描くことのできる 絵の具がありますので、興味のある方はぜひ試してみてくださいね!
↑油絵の具の上からも描ける水性アルキド樹脂絵の具(クサカベ)
まとめ
アクリル絵の具と油絵の具の違いを見てきました。
材質の違い、使い勝手の違い、表現力の違い、仕上がりの違い、
違うところがたくさんありました。
アクリル絵の具は「手軽・速乾・扱いやすい」
油絵の具は「深み・重厚・じっくり制作」
それぞれにしか出せない魅力があります。
気軽に始めたいならアクリル絵の具、
時間をかけて向き合いたいなら油絵の具、
というのも、ひとつの考え方です。
自分のペースや作りたい世界に合わせて選ぶことで、
絵を描く時間がもっと楽しく、もっと自分らしいものに なります。
ボクはせっかちなので、早く作業を進めたいのと 猫と暮らしていて、絵の具の匂いも気になるので 今は「アクリル絵の具」を中心に創作をしています!
どんな絵の具を選んでも、絵を描く時間って本当に楽しいもの!
アクリル絵の具の鮮やかさも、油絵の具の深みも、どちらも自分の気持ちを表現するための大切な味方です。
「うまく描けるかな?」なんて心配せずに、
まずは色と遊ぶような気持ちで筆を動かしてみてください。

迷ったら、最初は小さな作品から描き始めてみませんか?
絵の具の特徴を自分で「感じて」みると、おのずの答えが見えてきます。
気軽に試すうちに、自然と自分のスタイルが見えると思います。
これからも一緒に、 自由で楽しい絵描きライフ を送りましょう!
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