こんにちは!
元看護師のアクリル画家、松井京丸です。
2匹の愛猫と暮らしながら、癒しと解放をテーマに制作活動をしています。
『瞬きのあいだ』© 2026 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)
「アクリル絵の具で美しい水面を描いてみたいけど、何をどうしたらいいかわからない」
そんなふうにあきらめかけていませんか?

本記事では、毎日アクリル絵の具を扱うプロの画家としての知見と、
元看護師ならではの実験的・科学的な視点も踏まえて、
初心者の方でも失敗せずに透明感を表現できる、アクリル絵の具での「水面の描き方」たった3色だけ簡単3ステップを解説します。
最後まで読めば、まるで光が差し込んでいるような、瑞々しい水面が描けるようになりますよ!
【理由】「水面」を描くのにアクリル絵の具が初心者におススメなのはなぜ?
水面の美しさに魅かれて、描いてみたけれど、思うように透明感や煌めく波が出せずに悩む方が多くいます。
しかし、アクリル絵の具の特性をうまく活用すれば、初心者さんでも美しい「水面」を描くことが出来ます。
アクリル絵の具の速乾性:「水面」を描く作業がスムーズ
水面の透明感を表現するには、アクリル絵の具を何層にも重ねる必要があります。
その際には、一度塗った層は必ず乾燥させてから次のステップに進むのが鉄則なのですが、アクリル絵の具の速乾性のおかげで作業がスムーズです。

アクリル絵の具の耐水性:「水面」の美しい深みが描ける
アクリル絵の具は完全に乾燥すると 耐水性 になります。
なので、上からアクリル絵の具を重ねても、下に置いた絵の具が溶け出すことなく、色を重ねることができるのです。
その色の重なりにより、水面から見える奥の方まで表現ができ、美しい深みが出せるのです。
だから、思い切って挑戦してくださいね!
アクリル絵の具の多彩な表現力:「水面」の透明感と不透明感を描き分けられる
アクリル絵の具は、水を多めにして水彩風、水少な目で油絵風に、ペインティングナイフで置くようにしてテクスチャーをつけるなど、 多彩な表現力 を持っています。
水面の表現は、深いところの「透明感」と、波しぶきの「不透明な白」の組み合わせが大事です。
アクリル絵の具の、水を多めに溶いた透き通った表現(グレイジング)、チューブから出してそのまましっかり発色する表現。
この二面性があるから、1種類のエレメントで奥行きのある水面が作れるんです。
さらに、数多くの種類があるメディウムを使えば、その可能性は無限に広がります。
メディウムがなくてもアクリル絵の具は十分多彩な表現が可能なのですが、自分の欲しい表現などに合わせて取り入れてみると、とても楽しく作業ができます。
アクリル絵の具に混ぜることで、ツヤを出したり、逆に消したり、砂のような質感を足したり、立体的に盛り上げたりできる「お助けアイテム(補助剤)」です。表現の幅をグッと広げてくれる魔法の粉や液体の総称なんです!
■↓メディウム8選の使い方と仕上がりについて画像つきでまとめています。ぜひ参考にしてくださいね。
【準備】アクリル絵の具で「水面」を描くための必須アイテム
美しい水面を描くためには、道具選びと色の準備がとても重要なポイントになります。
描く前に揃えておきたいアイテムと、透明感を出すためのおすすめの色を見ていきましょう。
アクリル絵の具:「水面」を描くときに必須の3色
水面のみずみずしさを出すには、発色が良く透明度の高い絵の具を選ぶのがおすすめです。
ベースとなるブルー系だけでなく、光を表現するための白も使用します。
色名
役割
ポイント
ターコイズブルー(青緑)
主役・浅瀬
最初から青と緑が絶妙に混ざった、南国の海そのものの色。これをベースに使うだけで、自分で混色して濁らせちゃう心配がゼロになるから、初心者さんには本当に心強い味方!
コバルトブルー(青)
深み・うねり
ターコイズブルーよりも少し深みのある、王道の青。これを画面の奥や、波の影になる部分に少し混ぜてあげることで、水面に「奥行き」と「立体感」が生まれるんです。
チタニウムホワイト(白)
光・波しぶき
隠ぺい力が最強の白だから、コバルトやターコイズで塗った綺麗な水面の上から、濁ることなくパキッとした「太陽のキラキラ」や「白い波の網の目」を重ねられます。
●リキテックスベーシック・ターコイズブルー
●リキテックスベーシック・コバルトブルー
●アムステルダム・チタニウムホワイト

バニーコルアート :鮮やかな発色とリキテックスの多様な質感が魅力。
ターレンスジャパン :アムステルダムなど、大作にも挑めるコスパと品質。
筆:水面を描く時に欠かせないアクリル絵の具の相棒
グラデーションをなめらかに広げるための平筆や、細かい波紋を描くための細筆を用意しましょう。
種類
役割
ポイント
平筆
背景のグラデーション
広い範囲を塗るために平筆を用意します。
細筆
光や波紋
細かい所は丸筆の細いものを使います。
●インターロン
●キャムロンプロ

丸善美術商事 :「インターロン」など、毛先のまとまりとコシが抜群な筆の名門。
アムス :画材の品揃えが豊富。特に評判が良い「キャムロンプロ」シリーズは弾力があって、アクリル絵具でも毛先がまとまりやすいナイロン筆。
メディウム:水面表現を効果的にする便利アイテム
また、アクリル絵の具の透明度やツヤ感を変化させるメディウムも、水面表現にとても効果的です。
盛り上げ効果 絵の具に粘り気(ボディ)が出るので、筆跡を残したり、ナイフで厚く盛り上げたりできます。 透明度の向上 絵の具の鮮やかさを保ったまま、透明感だけを引き上げ ます。
名前
役割
ポイント
ジェルメディウム
透明感とツヤ
絵の具に混ぜると、透明感が増して奥行きのある仕上がりになります。乾燥後は基本的にツヤが出ます。
グロスメディウム
強力な光沢
混ぜたり塗ったりすることで、エナメルのような美しいツヤが出ます。
リターダー
絵の具の乾燥を遅らせる
絵の具が乾かないので、色と色の境界線を筆でなぞって滑らかに混ぜ合わせる(ブレンディング)時間が作れます。
●ジェルメディウム
●グロスポリマーメディウム
●リターダー

ホルベイン :専門家向けの高品質な絵具から、初心者でも扱いやすい画材まで幅広く展開しています。
ターナー色彩株式会社 :「U-35」は「35歳以下の若手アーティストを応援する」というコンセプトから名付けられたシリーズで、高品質ながら学生さんでも手に取りやすい価格設定が特徴 。1946年に大阪で創業した日本を代表する絵具・塗料メーカーです。
【実践】透明感を出す!アクリル絵の具で作る水面の描き方3色3ステップ
ここからは、いよいよ具体的に水面を描いていく手順を3つのステップに分けて解説します。
順番通りに進めていけば、初心者の方でも迷わずに奥行きのある水面が描けますよ。
■↑こちらが今回描いた「水面」の完成図です。

ステップ1:水面の深みを生み出す「背景のグラデーション塗装」
まずは水底の深さを表現するために、画面の奥(深場)から手前(浅瀬)にかけてグラデーションを作ります。
- 画面全体に水スプレーをしてから、上側からコバルトブルーを平筆で塗ります。

- 画面の半分くらいを塗ったら、次はターコイズブルーを塗ります。1回目なので、ムラがあっても大丈夫です。

- コバルトブルー、ターコイズブルーそれぞれにホワイトを三分の一程度とジェルメディウムを混ぜます。絵の具の左側にある白い塊がジェルメディウムです(乾くと透明になります)。

- 一度目と同じように水スプレーをして、コバルトブルーから塗っていきます。

- 続けてターコイズブルーを塗ります。境目を別の筆でなでるとキレイなグラデーションになります。

- この工程をもう一度繰り返します。だんだんムラがなくなってキレイになります。
- 「水面」の背景が完成しました。


ステップ2:水面の光を反射する「水面の波紋とラインの描き方」
ベースのグラデーションが完全に乾いたら、水面の網目模様や波のラインを描き込んでいきます。
- コバルトブルーとホワイトを混ぜて明るい水色を作ります。奥が狭く、手前が広くなるように波のラインを描きます。

- 縦のラインは、斜めにして、奥が狭く、手前が広くします。

- 小さな波のラインをランダムに描き加えます。

ステップ3:水面の中にある「影」と仕上げの「ハイライト」
- 光の方向を意識して、影になる部分に濃い色を入れます。上側はコバルトブルーのみを使い、下側はターコイズブルーのみを使って描きます。

- 最後に、太陽の光が一番強く当たっている部分に、水を混ぜない不透明な白でハイライトを入れます。波の交わる部分などに点々と光を置くことで、一気に画面がキラキラと輝き始めます。

- ニスを塗ったら完成です。


【秘伝】プロが教える!水面の描き方で失敗しないための3つのコツ
手順がわかったところで、さらにクオリティを上げるためのプロのテクニックを紹介します。
この3つのコツを意識するだけで、絵の完成度が格段にアップしますよ。
コツ1:絵の具の層(レイヤー)を意識して重ねる
水面をリアルに見せるコツは、一度にすべてを描こうとせず、 絵の具をしっかり乾かしながら何層も重ねる ことです。
背景ベース、波紋、透ける波の影、表面の光、というふうにレイヤーを分ける意識を持つことで、深い奥行きが生まれます。

コツ2:波の線は太さに強弱をつけて自然に見せる
均一な太さの線だけで波を描いてしまうと、どうしても人工的で硬い印象になってしまいます。
筆の圧力を変えて、太い部分と細い部分をランダムに作ることで、自然に揺れる水面が表現できます。

コツ3:ジェルメディウムを活用してリアルな質感を出す
仕上げに透明なジェルメディウムを画面全体、または波の盛り上がっている部分に厚く塗るのもおすすめです。
アクリル絵の具特有の美しいツヤと立体感が加わり、本物の水のような瑞々しい質感が完成します。
ジェルメディウムを使うと、透明感とツヤが出て、水の質感に近づくことができます。
層を重ねていきたいときは、グロスポリマーメディウムを使うと、絵の具を薄く溶いても密着してくれるので、便利です。

【発展】アクリル絵の具で描くいろいろな「水面」シリーズ
水面にはいろいろなシチュエーションでの、様々な表現があります。
自然が映り込む湖の「水面」を描く
『むらさきの空』© 2022 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)
周りの景色を映り込ませて「水面」を表現します。
水面に映った景色に、水面のかすかな動きを描き入れるのがポイントです。
風景画にはかかせないシチュエーションですね!
打ち寄せる海の「水面」を描く
『海岸』© 2022 アクリル・ネコ/松井京丸(アクリル絵の具)
砂浜のベージュ色と対比させて、海の表現をします。
ここでも、奥側が濃い青で、手前がターコイズ系の色にすると奥行きが出せます。
筆のタッチを活かして、水の勢いを出します。

【Q&A】アクリル絵の具での「水面」の描き方に関するよくある質問
水面を描くときによくある悩みや疑問について、Q&A形式で解決していきましょう。

Q:「水面」が濁って汚くなってしまった!どうすればいい?
A:完全に乾燥させてから、次の色を塗ることを徹底しましょう!
完全に乾燥していないベースの上に色を重ねてしまったのが原因 です。アクリル絵の具は、乾燥すると耐水性になるので、上から色を重ねても、絵の具が溶け出すことはありません。
しかし、乾燥していないうちに、次の色を重ねてしまうと、絵の具が溶け出して混ざってしまい、濁った色になってしまします。
下の層がしっかり乾いたのを確認してから、綺麗な筆で描き始めましょう。

Q:波の模様を描いたら不自然で硬い印象になります!どうすればいい?
A:「遠近法」と「ランダムさ」を意識しましょう!
頭の中で「波の形はこう」という思い込みが、同じ大きさや同じ間隔の模様(ウロコ模様のよう)を均等に並べて描いてしまうことがあります。
手前の波(光の網目)は大きく太く描き、奥にいくほど細く、平べったく(潰れた楕円に)していきましょう。(遠近法)
綺麗な線を描こうとせず、筆の力を抜いて、わざと線を途切れさせたり、太さを変えたりして「ゆらゆら」させます。(ランダムさ)
写真や本物の水面をよーく見ると、網目はあちこちで千切れているのがわかります。
Q:キラキラした光を白で描いたのに目立たない!どうすればいい?
A:濃いチタニウムホワイトを使う。影を先に入れておく。
原因としては、下のベースの色が十分に乾いていない状態で白を重ねて色が混ざってしまったか、ベースの色自体が明るすぎて白とのコントラスト(明暗の差)が足りない状態です。
下の色が完全に乾いてから、水を混ぜずに濃いめのチタニウムホワイトを筆の先につけて、チョンチョンと置くように描きましょう。
ハイライトを入れる部分のすぐ隣に、少し濃いめの青や影の色を置いておくと、白がパッと引き立って眩しく見えるようになるます!

【まとめ】アクリル絵の具で美しい水面を描してみよう!
アクリル絵の具を使った水面の描き方について、道具の準備から具体的なステップ、プロのコツまでをお届けしました。
水の透明感は、背景のグラデーション、丁寧な波紋のライン、そして仕上げのハイライトの組み合わせで綺麗に表現できます。
水面は観ているだけでも心癒されるものですが、それを描く時間は本当に素晴らしいものです。
- 「水面」を描くのにアクリル絵の具が向いている理由
- アクリル絵の具で水面を描く時の必須アイテム紹介
- アクリル絵の具で水面の描き方簡単3ステップ
- 水面の描き方で失敗しないコツ3選
- アクリル絵の具で描くいろいろな水面を紹介
あなただけの美しい水面が描けるのを応援しています! 
このブログでは、アクリル絵の具と猫の絵に関することをやさしく簡単に紹介しています。
また、YouTubeではわかりやすく動画でご覧いただけるように工夫しています。
よろしくお願いします!
※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。






















