こんにちは!
元看護師のアクリル画家、松井京丸です。
2匹の愛猫と暮らしながら、癒しと解放をテーマに制作活動をしています。
『春うまれ』(アクリル絵の具)
「アクリル絵の具で描いてみたけど、どうも仕上がりがのっぺりしてしまう…」
そんな悩みはありませんか?

本記事では、毎日アクリル絵の具を扱うプロの画家であり、元看護師の実験的視点から、
初心者さんが今すぐ使うべきメディウム8種類とその使い方を、比較画像付きで徹底解説します。
読み終わる頃には、あなたの作品が劇的にレベルアップしているはずです!
【理由】アクリル絵の具はメディウムの使い方で表現が激変する?
メディウムとは、アクリル絵の具に混ぜることで質感や乾燥時間を調整できる「補助剤」のことです。
これを使うだけで、まるでプロが描いたような奥行きのある作品が作れるようになります。
水だけで描くのはもったいない?メディウムを使う驚きのメリット
水だけで絵の具を薄めると、どうしても発色が弱くなったり、定着力が落ちたりすることがあります。
メディウムを使えば、絵の具の鮮やかさを保ったまま、透明感だけをプラスするなどの変化が可能になるのです。

初めて、「ジェルメディウム」を使った時は、ただ混ぜただけなのに、アクリル絵の具に透明感が出て、驚きました。
水で薄めたら、色は薄くはなりますが、透明感を出すのはなかなか難しいですから。
アクリル絵の具の「困った」を解決してくれるメディウムの役割は?
例えば、アクリル絵の具は乾燥が早いので、きれいなグラデーションを作るのが難しいという弱点があります。
しかし、特定のメディウムを数滴混ぜるだけで、その悩みは一瞬で解決します。
キレイにグラデーションが作れなくて、画面に水スプレーをしていたら、やりすぎて画面が汚くなってしまったことがあります。 そこで「リターダー」というメディウムを使ってみたところ、アクリル絵の具の乾燥時間を遅らせてくれるので、余裕をもって作業が出来るようになりました。
こんなふうに、自分の能力がまだ追いついていないときも、 うまく道具を使うことで、絵を描くことが何倍も楽しく なります。
【実用編】アクリル絵の具メディウムの使い方と初心者おすすめ4選
■↑今回紹介する8種類のメディウムを並べてみました。
世の中には何十種類ものメディウムがありますが、この記事では、初心者さんにこそ使って欲しい、おすすめのものを紹介します。
これらを知るだけで、画材店での買い物がもっと楽しくなります!
■↑左側がアクリル絵の具のみ、右側はアクリル絵の具+メディウムです。
事前に、水彩紙にアクリル絵の具(黒)で帯状に塗り、アクリルマーカー(黒)でラインを引きました。

画面で見ると、わかりにくいところもあるかと思いますので、ひとつづつ詳しく見ていきます。
1「リターダー」乾燥を遅らせてグラデーションを楽にする
■↑左:アクリル絵の具のみ、右:アクリル絵の具+リターダー。
左側
右側
アクリル絵の具のみ
アクリル絵の具+リターダー
上側の紫を塗って、次の白を塗ろうとしたときには、すでに乾燥しかけていました。それで水を足したら、ぼやけるような感じになってしまいました。
上側の紫を塗って、次の白を塗ろうとしたときには、まだ全然乾燥していなくて、筆で馴染ませるとぼかすことが出来ました。
特徴
アクリル絵の具は通常10〜20分程度で乾き始めますが、リターダーを使うことでその時間を数倍から、量によっては数時間まで引き延ばすことができます。
- 乾燥を遅らせる: 絵の具の水分が蒸発するのを抑え、パレット上やキャンバス上での「生」の状態をキープします。
- ぼかし・グラデーションが容易になる: 絵の具が乾かないので、色と色の境界線を筆でなぞって滑らかに混ぜ合わせる(ブレンディング)時間が作れます。
- 筆運びがスムーズになる: 絵の具の伸びが良くなり、細かい描写がしやすくなります。
- 水との併用: 水を混ぜすぎると定着力が落ちますが、リターダーを少量混ぜることで、定着力を保つつ伸びを良くすることができます。
使い方
使い方は大きく分けて2通りあります。
① 絵の具に直接混ぜる
パレットの上で、出しておいた絵の具にリターダーを少量加え、ペインティングナイフや筆でよく混ぜます。
- ポイント: 入れすぎると絵の具が乾かなくなったり、定着力が弱まってベタつきが残ることがあります。
絵の具に対して20〜30%以内に抑えるのが一般的です。
② キャンバスに塗る(下塗り)
グラデーションを作りたい場所に、あらかじめリターダーを薄く塗っておき、その上から絵の具を乗せていきます。
- ポイント: 背景を一気に塗りたい時や、広い面積を滑らかに仕上げたい時に有効です。
注意点
- 重ね塗りのタイミング: リターダーを使った層は、しっかり乾くまで次の色を重ねないように しましょう。生乾きの状態で重ねると、下の層が剥げてしまうことがあります。
- 光沢や透明感への影響: リキッド(液体)タイプやジェルタイプがあり、種類によって仕上がりのツヤ感が少し変わるものもあります。
●↓リターダー(ターナー)
2「ジェルメディウム」透明絵の具に変身
■↑左:アクリル絵の具のみ、右:アクリル絵の具+ジェルメディウム。
| 左側 | 右側 |
| アクリル絵の具のみ | アクリル絵の具+ジェルメディウム |
| 透明感がでて、光沢が出ています。筆跡を残すこともできました。 |
特徴
一言で言うと「透明なアクリル絵の具の素(糊のようなもの)」です。
- 透明度と光沢のアップ: 絵の具に混ぜると、透明感が増して奥行きのある仕上がりになります。乾燥後は基本的にツヤが出ます。
- 盛り上げ(テクスチャ)効果: 絵の具に粘り気(ボディ)が出るので、筆跡を残したり、ナイフで厚く盛り上げたりできます。
- 接着剤としての機能: 接着力が非常に強いため、コラージュ(紙や布を貼る)の糊としても使えます。
- 乾燥しても痩せない: 水と違って乾燥しても体積が減りにくいので、盛り上げた形がそのまま残ります。
使い方
① 絵の具の「かさ増し」と「透明化」
絵の具に混ぜて使います。
- 透明感を出す: ほんの少しの絵の具にたっぷりのメディウムを混ぜると、 ステンドグラスのような透き通った層 が作れます(グレージング技法)。
- 節約効果: 広い面積を塗るとき、メディウムを混ぜることで絵の具の消費を抑えつつ、リッチな質感にできます。
② 厚塗り・盛り上げ
ペインティングナイフでたっぷり取って、キャンバスに置くように塗ります。
猫のひげの根元や、背景に凹凸を作ってから上から色を重ねると、光の当たり方で表情が変わる作品になります。
③ コラージュ
キャンバスにメディウムを塗り、その上に写真やレース、砂などを置いて、さらに上からメディウムでコーティングするように塗るとしっかり固定されます。
■↑ジェルメディウムを使用したコラージュアート。
注意点
- 乾燥時間: 厚く盛れば盛るほど、中まで乾くのに時間がかかります 。表面が乾いて見えても中が柔らかいことがあるので、数日は慎重に扱いましょう。
- 筆のメンテナンス: 接着力が強いため、筆についたまま乾くとガチガチになって再起不能になります。使い終わったら(あるいは作業中もこまめに)すぐに水で洗い流してください。
種類による使い分け
ジェルメディウムには硬さの種類がいくつかあります。
| 種類 | 特徴 | 向いている表現 |
|---|---|---|
| レギュラー | 標準的な硬さ | 一般的な混色や、軽い盛り上げに。 |
| ヘビー | 粘り気が強い | 筆跡をクッキリ残したい時や、ナイフでの厚塗りに。 |
| ソフト/グロス | サラッとしている | 滑らかな表面を作りたい時や、透明な層を重ねる時に。 |
●↓ジェルメディウム(ホルベイン)
3 「グロスメディウム」つや出し・透明感を出す
■↑左:アクリル絵の具のみ、右:アクリル絵の具+グロスポリマーメディウム。
| 左側 | 右側 |
| アクリル絵の具のみ | アクリル絵の具+グロスメディウム |
| もともと透明感のある絵の具がさらに透明感アップ。黒い部分はまるで何も塗っていないかのようです。画面上ではわかりにくいですが、上品な艶があります。 |
特徴
- 強力な光沢(グロス): 混ぜたり塗ったりすることで、エナメルのような美しいツヤが出ます。
- 透明度の向上: 絵の具の鮮やかさを保ったまま、透明感だけを引き上げ ます。
- サラサラした流動性: ジェルタイプと違って液体に近いので、絵の具の伸びが良くなります。盛り上げ効果はほとんどありません。
- 保護・定着力の強化: 乾くと丈夫な透明の膜になるので、絵の具の剥離を防ぎます。
使い方
① 混色して「透明な層」を作る(グレージング)
これが一番王道の使い方!
少量の絵の具にグロスメディウムをたっぷり混ぜて、薄く塗り重ねます。
下の色が透けて見えるので、猫の毛並みに深い影を入れたり、複雑な色の重なりを作ったりするのに最適です。
② 仕上げの「部分ニス」として
作品が描き上がった後、特定の場所にだけ塗ります。
猫の瞳や鼻: ここだけに塗ると、そこだけが潤っているように見えて、一気に生命感が宿ります。
宝石や水滴の表現にもおすすめ。
③ 筆運びをスムーズにする
水で薄める代わりにグロスメディウムを使うと、絵の具がカスれにくくなり、細い線(ひげなど)がスッと描きやすくなるよ。

注意点
- 混ぜすぎると色が薄くなる: 透明度が高いので、入れすぎると絵の具の色が透けすぎてしまいます。色の濃さを確認しながら混ぜてね。
- 「泡立ち」に注意: 液体状なので、勢いよく混ぜすぎると小さな気泡が入ることがあります。そのまま乾くと表面がブツブツしてしまうので、ゆっくり混ぜるのがコツだよ。
- ホコリが目立ちやすい: ツヤが出る分、乾燥中にホコリがつくと目立ちます。乾くまではホコリの立たない場所に置いておこう。
- マット(つや消し)との併用: もし背景を落ち着いたマットな質感にしている場合、グロスがはみ出すとそこだけテカってしまうから、塗る範囲には気をつけてね。
●↓グロスポリマーメディウム(リキテックス)
4 「マットメディウム」落ち着いたマットな質感に
■↑左:アクリル絵の具のみ、右:アクリル絵の具+マットメディウム。
| 左側 | 右側 |
| アクリル絵の具のみ | アクリル絵の具+マットメディウム |
| 透明感が出つつも、艶が消えています。落ち着いたマットな質感です。 |
特徴
- つや消し効果: アクリル絵の具特有のテカリを抑え、光の反射を防ぎます。
- 仕上がりが上品: 絵画というよりは、イラストやデザイン画のような、落ち着いたマットな質感になります。
- 透明度の向上: 絵の具に混ぜると、発色を維持したまま透明感が出ます(ただし、グロスほどクリアではなく、少しだけ「すりガラス」のような柔らかい透明感になります)。
- 接着力: ジェルメディウム同様、接着力が強いのでコラージュにも使えます。
光沢を抑え、しっとりとした落ち着いた画面を作ることができます。
おしゃれなイラストや、反射を抑えたい作品にぴったりです。
使い方
① 絵の具のテカリを抑える
絵の具に直接混ぜて使います。
猫の毛並みを描くとき、テカテカしていると硬い印象になりがちですが、マットメディウムを混ぜると「ふわっとした、光を吸収するような毛の質感」が出しやすくなります。
② 下地作り(地塗り)
キャンバスにそのまま塗ったり、ジェッソ(下地材)に混ぜて使ったりします。
表面が少しザラッとした質感(歯がつく状態)になるので、その上から色を乗せたり、色鉛筆やパステルで細部を描き足したりしやすくなります。
③ 仕上げのコーティング
作品全体、あるいは一部のツヤを消したいときに上から塗ります。
- ポイント: 背景はマットにして、猫の瞳だけグロスにする…といった使い分けをすると、主役の猫ちゃんがパッと引き立ちます。
注意点
- 色の沈み込み: 乾くとツヤが消える分、濡れている時よりも色が少しだけ暗く(あるいは落ち着いて)見えることがあります。乾いた後の色味を計算に入れて塗ってみてください。
- 塗りムラに注意: 厚く塗りすぎると、場所によって白っぽく濁ってしまうことがあります。薄く均一に伸ばすのが綺麗に仕上げるコツです。
- 泡立ち: グロスと同様、激しく混ぜると気泡が入りやすいので注意してね。
メディウム使い分けのヒント
| アイテム | 仕上がりのツヤ | おすすめの場所 |
|---|---|---|
| グロス | ピカピカ | 瞳、鼻、濡れた表現、宝石 |
| マット | カサカサ・しっとり | 毛並み、背景、布、遠景 |
●↓マットメディウム(リキテックス)
【応用編】アクリル絵の具メディウムの面白い使い方4選
何か新しいことや、変わったこと、面白いことを試したい場合は、これから紹介する4種類がおすすめです!
本当に楽しいので、やみつきになりますよ。
5「モデリングペースト」盛り上げ・立体感で遊べる
■↑左:アクリル絵の具のみ、右上:モデリングペーストのみ、右下:アクリル絵の具+モデリングペースト。
| 左側 | 右側 | ||
| アクリル絵の具のみ | 上方 | モデリングペーストのみ | ペインティングナイフで塗りつけました。乾いても真っ白で不透明です。あとから削ることも、上に色を塗ることもできます。 |
| 下方 | アクリル絵の具+モデリングペースト | 絵の具と混ぜてからペインティングナイフで塗りつけました。色は白っぽくなります。 | |
モデリングペーストの主な特徴
- 圧倒的な盛り上げ力: ジェルメディウムよりもさらに硬く、エッジの立った鋭い盛り上げが可能です。
- 不透明な白: 大理石の粉末などが混ざっているため、乾いても「真っ白」で不透明です(絵の具を混ぜるとパステルカラーになります)。
- 乾燥後の加工ができる: 完全に乾くと石のように硬くなるので、サンドペーパー(紙やすり)で削ったり、彫刻刀で彫ったりすることができます。
- マットな質感: 乾くとツヤのない、石膏のような質感になります。
モデリングペーストの使い方
■↑モデリングペーストだけを画面に置いて描いた立体オールホワイトアート。
① 凹凸のある下地を作る
絵を描く前に、キャンバスにナイフで盛り付けます。
- 猫の毛並み: 筆や櫛(くし)を使って、毛の流れを立体的に作っておくと、上から色を乗せた時にリアルな陰影が出ます。
- 背景のテクスチャ: ざらついた壁のような質感や、抽象的な盛り上がりを作るのに最適です。
② 絵の具を混ぜて「色付き粘土」にする
アクリル絵の具を少量混ぜると、色のついた盛り上げ材になります。
- 注意: ペースト自体が白いので、どんな色を混ぜても少し白っぽく(パステル調に)なります。
③ 乾いた後に削る
一度盛り上げて乾かした後に、ヤスリで表面を滑らかにしたり、尖ったもので模様を刻んだりできます。
これはジェルタイプにはできない、モデリングペーストならではの楽しみ方ですね。
使う時の注意点
- 厚塗りの「ひび割れ」: 一度にあまりにも厚く(数センチなど)盛りすぎると、乾燥する過程でひび割れが起きることがあります。厚くしたい時は、数回に分けて重ね塗るのが安全です。
- 重さ: たくさん使うと、作品自体が結構重くなります。
- 筆やナイフの掃除: 乾くと石のように固まって取れなくなるから、使い終わったらすぐに水洗いしましょう!
ジェルメディウムとの違い
| 特徴 | モデリングペースト | ジェルメディウム |
|---|---|---|
| 透明感 | 不透明(白) | 透明 |
| 乾燥後 | カチカチに硬い(削れる) | ゴムのように弾力がある |
| 重さ | 重め | 軽め |
●↓モデリングペースト(ターナー)
■↓「モデリングペースト」「ポーリングメディウム」「ジェルメディウムでのコラージュアート」の詳しいやり方はこちらでご覧いただけます。
6「ストリングジェルメディウム」糸を引くような独特の線が描ける
■↑<乾燥前>上方:ストリングスジェルメディウムのみ、下方:アクリル絵の具+ストリングジェルメディウム。
■↑<乾燥後>透明でツヤが出ています。かっこよく仕上がりました!
ハチミツのように粘り気があり、垂らすことで細い糸のような線を描けます。
予測できないユニークな模様を作りたい時に大活躍します。
ストリングジェルメディウムの主な特徴
- 驚異的な粘り(糸引き): 筆やナイフですくい上げると、どこまでも細く糸を引くように伸びます。
- なめらかなレベリング: 盛り上げるというよりは、タラ〜っと垂らした線が自然に平らになじんで、ツヤのある滑らかなラインになります。
- 乾燥後は透明でツヤツヤ: 乾くと透明になり、強い光沢(グロス) が出ます。
- 柔軟性がある: ジェル状なので、乾いた後もゴムのような弾力があり、割れにくいです。
ストリングジェルメディウムの使い方
① 垂らして線を描く(ドリップ技法)
筆やスティックの先にたっぷり付けて、キャンバスの上で動かしながらタラタラと垂らします。
筆を紙に付けずに浮かせたまま動かすことで、 「震えのない、完璧に滑らかな極細の曲線」 が描けます。
② 絵の具と混ぜて「伸びる絵の具」にする
アクリル絵の具に混ぜると、その絵の具自体が糸を引く性質に変わります。
粘り気が出るので、普通に塗るのとは全く違う「ヌルッとした」独特の筆致が楽しめるよ。
③ 飛沫(スプラッタリング)を繋げる
わざと筆を振って絵の具を飛ばすと、点ではなく「線が繋がった飛沫」になり、躍動感のある表現ができます。

使う時の注意点
- とにかく「糸」が飛ぶ: 糸引きがすごいので、思わぬところに細い糸がビヨーンと飛んでしまうことがあります。作業スペースの周りには新聞紙を敷いておくのが安心です。
- 乾燥時間: 糸状に垂らした部分は意外と厚みが出るので、中までしっかり透明になるまでには少し時間がかかります。
- 垂直な面には不向き: 乾くまでの間に重力で垂れやすいので、キャンバスを水平(机の上など)に置いて作業するのが基本だよ。
- 修正が難しい: 一度タラッと垂らすと、拭き取ろうとしても糸を引いて広がりやすいので、本番前に別の紙で練習するのがコツ!
●↓ストリングジェルメディウム(リキテックス)
7「ポーリングメディウム」流動性を高めてポーリングアートに
■↑アクリル絵の具+ポーリングメディウムで作ったアート。
絵の具をサラサラの液体状にし、垂らし込みの技法に特化したもの です。絵が苦手な人でも、偶然が生む美しいマーブル模様を楽しめます。
ポーリングメディウムの主な特徴
- 絵の具の流動性を高める: 絵の具を水っぽくせずに、「サラサラと流れる液体」に変えてくれます。
- 色が混ざりすぎない: これが最大の特徴!水で薄めると色が濁って混ざり合ってしまうけど、これを使うと隣り合う色同士が境界線を保ったまま、綺麗に流れてくれるんです。
- 乾燥後のツヤと平滑さ: 乾くと表面がレジンのようにツヤツヤで、鏡面のように真っ平ら(レベリング)に仕上がります。
- ひび割れ防止: 大量の液を流し込んでも、乾燥中に割れないような柔軟性を持っています。
ポーリングメディウムの使い方
① 絵の具と混ぜる
カップを複数用意して、色ごとに「絵の具 1:ポーリングメディウム 2〜3」くらいの割合でしっかり混ぜます。
- ポイント: 糸を引くハチミツくらいの硬さにするのが理想的。
② キャンバスに流す(ポーリング)
混ぜた色を順番にキャンバスに垂らしたり、一つのカップに全色を層のように重ねてから一気にひっくり返したり(フリップカップ)します。
③ キャンバスを傾ける
キャンバスをゆっくり前後左右に傾けて、絵の具を広げていきます。
これだけで、マーブル模様のような不思議な模様が広がっていくのです。
■↑ポーリングメディウムとアクリル絵の具を混ぜて描いたアート。
使う時の注意点
- 乾燥に時間がかかる: 膜が厚くなるから、 完全に乾くまで2〜3日は触らないように しましょう。
- 気泡を消す: 混ぜる時に泡ができやすいので注意しましょう。
●↓ポーリングメディウム(ターナー)
8「ファブリックメディウム」布に描いたり染めたりできる
■↑ファブリックメディウムを混ぜたアクリル絵の具で染めました。
これを混ぜれば、Tシャツやバッグなどの布製品にも描けるようになります。
洗濯しても落ちにくくなるので、オリジナルグッズ作りにも最適です。
ファブリックメディウムの主な特徴
- 布への定着力を高める: 普通のアクリル絵の具は乾くと硬くなって剥がれやすいけど、これを混ぜると布の繊維にしっかり食いつくようになります。
- 柔軟性を保つ: 乾いてもゴワゴワせず、布の柔らかさを損なわない「しなやかさ」が出ます。洗濯してもひび割れにくくなります。
- にじみ防止: 水で薄めるよりもにじみにくくなり、 布の上でも細かい描写がしやすく なります。
ファブリックメディウムの使い方
■↑ランチョンマットのすみっこに、ファブリックメディウムを混ぜたアクリル絵の具で描きました。
① 絵の具と混ぜる
パレットの上で、アクリル絵の具とファブリックメディウムを「1:1」くらいの割合でよく混ぜてから描きます。
- ポイント: 水はなるべく使わず、メディウムだけで硬さを調節するのがコツ。
② 布に描く
綿やポリエステルなどの布に直接描いていきます。
描く前に布の汚れや糊を洗濯で落としておくと、より定着が良くなるよ。
③ 熱で定着させる(重要!)
描き終わって完全に乾いたら、アイロンをかけます。
当て布をして、1分ほど熱を加えることでメディウムが布にしっかり固着 し、洗濯しても落ちなくなります。
使う時の注意点
- 厚塗りは避ける: あまり厚く盛りすぎると、いくらメディウムを混ぜていても、洗濯の時の折り曲げに耐えられず割れる原因になります。
- 素材との相性: 撥水加工がされている布や、極端に毛足の長い布には色が乗りにくいです。
●↓ファブリックメディウム(ターナー)
■↓ファブリックメディウムを使った布染めについて詳しく書いた記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。
これからも、また違ったメディウムに挑戦したいなと思っています。
抽象画を描く時には、モデリングペーストを使うのが大好きです!
ターナー色彩株式会社 :「U-35」は「35歳以下の若手アーティストを応援する」というコンセプトから名付けられたシリーズで、高品質ながら学生さんでも手に取りやすい価格設定が特徴 。
ホルベイン :ホルベインのメディウムは種類が豊富で、特に「ジェルメディウム」の硬さのバリエーション(ソフト、ハード、ハイソリッドなど)が絶妙。
バニーコルアート :「世界初のアクリル絵具」を作ったブランドだけあって、メディウムの種類の多さと信頼性は世界ナンバーワンと言っても過言ではありません。
【補足】メディウムの仲間「ジェッソ」「ニス」とは?
広義では「メディウム(媒体・補助剤)」の仲間です。
しかし、役割がはっきりしているため、画材屋さんでは「下地材(ジェッソ)」や「仕上げ剤(ニス・バーニッシュ)」として別カテゴリーで扱われることが多いです。
1. ジェッソ(下地材)
■↑下地(ジェッソ)を塗り終えたパネル。
ジェッソは、メディウムの一種ではありますが、役割は「土台作り」に特化しています。
- 特徴: 白い絵の具に石灰などを混ぜたもので、キャンバスの凹凸を埋めたり、絵の具の食いつきを良くしたりします。

■↓アクリル絵の具の下地ジェッソの使い方について詳しい記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。
2. ニス / バーニッシュ(仕上げ剤)
■↑仕上げのニスを塗っている様子。
ニスも広義にはメディウムの仲間ですが、役割は「保護とツヤ出し」です。
最後の仕上げに「コーティング」するもの。ツヤを消すニスもあります。
- 特徴: 完成した絵の上に塗って、紫外線やホコリから作品を守るための「透明な膜」を作るものです。

■↓アクリル絵の具のニスの塗り方について詳しい記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。
「メディウム・ジェッソ・ニス」まとめ
1枚の絵を描く時に使用する順番では、ジェッソ→メディウム→ニスになります。
| 種類 | カテゴリー | 使うタイミング | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| ジェッソ | 下地材 | 描く前 | キャンバスの準備、発色を良くする |
| メディウム | 補助剤 | 描いている最中 | 質感、乾燥速度、透明度のコントロール |
| ニス | 仕上げ剤 | 描き終わった後 | 作品の保護、最終的なツヤの統一 |
【体験談】実際に使って感じたメディウム選びの落とし穴
便利なメディウムですが、選び方を間違えると「思っていたのと違う…」という結果になりかねません。
失敗経験から、選ぶ際の注意点をお伝えします。
説明書きを勘違いして失敗!
モデリングペーストを初めて試しに買ってみて使って、ものすごく楽しかったので、追加で買うことにしました。
もっとテクスチャーを激しくつけたくて、スーパーヘビーと書いてあるものを購入!
さっそく使ってみたら、最初のとは違って仕上がりが透明に!!
よく見てみたら 「スーパーヘビージェルメディウム」 と書いてありました。
日本語では「超硬練り盛り上げメディウム」と書いてあったので、てっきりモデリングペーストのように使えると思ってしまったんです。 説明はきちんと読まないとダメですね!
安さだけで選んで後悔?初心者こそメーカー選びが重要な理由
100均でも、アクリル絵の具や画材はたくさん売られています。
ニスやメディウムも扱っているので、使いたくなるかもしれません。
実は、アクリル絵の具を始めたばかりの頃、なんでも100均で買って試していたことがあります。 良く描けた!と思った作品が、数年後、色あせていたり、ヒビが入っていたりしてショックを受けました。
100均で手に入るメディウム
- ジェッソ(下地材): ダイソーなどで100mlサイズが販売されています。発色や定着を良くする効果があり、初心者の方にも人気です。
- アンティークメディウム: 塗るだけで使い古したような風合い(エイジング加工)ができるメディウムです。
- クラッキングメディウム: 乾くと表面にひび割れを作り、アンティーク感を出すためのものです。
- マットコート / グロスコート: 仕上げのニスに近い役割として、ツヤ消しやツヤ出しができる商品があります。
100均と専門メーカーの比較
最近は100円ショップなどでも手に入りますが、やはり画材メーカーのものは品質が安定しています。
特に透明度や経年変化によるひび割れにくさは、大きな差が出ます。
| 特徴 | 100均メディウム | 専門メーカー(ターナー等) |
|---|---|---|
| 価格 | 非常に安い(110円) | 数百円〜 |
| 品質 | 粘度が低め、混色で濁る場合あり | 発色が安定、耐久性が高い |
| 成分 | 価格を下げるために安価なものを使用していることが多い | 成分がはっきりと表示・好評されていて、安心感がある。 |
| 入手性 | 身近な店舗で買える。しかし人気のものは品薄なこともある。 | 画材店やネット通販が主 |
| おすすめ用途 | 練習、DIY、小物のリメイク | 長く残したい作品、本格的な絵画 |
良い道具は使いやすいし、仕上がりも美しい。 絵を描くのがより楽しくなるし、作品のレベルもアップします!
【Q & A】アクリル絵の具のメディウムの使い方に関するよくある質問

Q:メディウムは何種類も混ぜても大丈夫?
A:基本的に同じメーカー同士なら混ぜても問題ありません。
メディウムは、混ぜることで効果を調整できるんです。
例えば、
-
ツヤの調整: 「グロスメディウム(ツヤあり)」と「マットメディウム(ツヤ消し)」を混ぜて、好みの「半ツヤ」を作る。
-
質感と透明感: 「ジェッソ(地塗り材)」に「モデリングペースト」を混ぜて、少し盛り上げつつ隠ぺい力を高める。
-
乾燥時間の調整: 厚塗りをしたいけど乾燥も遅らせたい時に、「ジェルメディウム」に「リターダー(乾燥遅延剤)」を数滴混ぜる。
などなど。
アクリル絵の具は水性なので、油絵用のメディウムとは絶対に混ざらないので注意してくださいね。
Q:筆が固まってしまったらどうする?
A:メディウムは固まると水に溶けません。
使った後はすぐに専用のクリーナーか石鹸で洗いましょう。

Q:メディウムはどこで売っていますか?
A:画材屋さんで売っています。
画材屋の店頭で手に取ってみることができると、わかりやすくていいですね。
でも、近所に画材屋がなくて、なかなか店舗までいけないという場合は通販でも手に入ります。
Amazonや楽天市場でも扱っていますし、世界堂の通販でも取り扱いがあります。
ボクは、Amazonや世界堂の通販をよく使います。 でも、たまに画材屋に足を運ぶと、新しい発見もあったりするのと、なによりたくさんの画材を見ているだけで、とても楽しめます!
Q:試しに少しずついろんなメディウムを試してみたいのですが?
A:少量サイズが数種類入ったセットがあります。
リキテックスメディウムセットは小さいサイズのメディウムが6種類入っています。いろいろと試してみたい人にはピッタリだと思います。

●↓リキテックスメディウムセット(6種類)
【まとめ】アクリル絵の具のメディウムは使い方が無限大!
今回は、アクリル絵の具を使用するときのおすすめメディウム8選の紹介でした。
特に、 初心者さんにこそ使って欲しいもの を選びました。
メディウムは、あなたの「もっとこんな風に描きたい」という願いを叶えてくれる最高のパートナーです。
まずは今回紹介した8つの中から、気になる1本を手にとってみてください。
なんだか難しそうだからと、食わず嫌いはもったいないです!
ぜひ試してみてくださいね!

感動体験が待っていますよ。
このブログでは、アクリル絵の具と猫の絵に関することをやさしく簡単に紹介しています。
また、YouTubeではわかりやすく動画でご覧いただけるように工夫しています。
よろしくお願いします!
※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。























