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こんにちは!
猫を愛するアクリル画家、松井京丸です。
↑『しましまねこ』(アクリル絵の具、水性ペン)
「アクリル絵の具を買おうと思ったけど、『透明』と『不透明』があってどっちを選べばいいかわからない……」
「適当に買ったら、思ったような絵が描けなくて失敗した」

画材店に行くと、同じメーカーの棚に2種類のアクリル絵の具が並んでいて混乱した経験はありませんか?
実はこの2つ、名前が似ていても「描き味」や「仕上がり」は全くの別物です。
間違って選ぶと、重ね塗りができなかったり、厚塗りで作品が割れてしまったりする原因になります。
- 「透明」と「不透明」の成分や性質の違い
- 実際に塗り比べた時の質感や描き心地の差
- あなたの描きたい絵に合わせた正しい選び方
この記事では、アクリル絵の具の「透明(アクリリック)」と「不透明(ガッシュ)」の決定的な違いを、成分や特徴から徹底比較します。
さらに、実際に塗り比べてわかったリアルな使用感や、あなたの描きたい絵に合わせた選び方も解説します。
これを読めば、もう画材選びで迷うことはなくなり、理想通りの表現ができるようになります。
それでは、よろしくお願いします。
そもそも何が違う?「透明(アクリリック)」と「不透明(ガッシュ)」
- 一般的に「アクリル絵の具=透明」「アクリルガッシュ=不透明」
- 違いの正体は「顔料」と「樹脂」の配合比率
厳密には、アクリル絵の具には「透明」「不透明」「半不透明」「半透明」があります。
塗ったときに下の色がどれだけ透けて見えるか(隠蔽力、または透明度)の違いを表しています。
決定的な差は「顔料と樹脂の比率」にある
まず結論から言うと、この2つは「顔料と樹脂(糊)の配合比率」が違います。
アクリル絵の具は基本的に「色の粉(顔料)」と「接着剤(アクリル樹脂)」を混ぜて作られています。
- 透明タイプ: アクリル樹脂の量が多い。透明度が高く、ツヤがある。
- 不透明タイプ: 顔料の量が多い。不透明で下の色を隠し、ツヤが消える(マット)。
不透明タイプ(ガッシュ)は、下の色を覆い隠すために顔料が多く含まれています。
その分、乾いた後の表面はザラッとしたマットな質感になります。
一方、透明タイプは樹脂成分が多いため、ガラスのような透明感と強固な塗膜を作るのが特徴です。
アクリル絵の具【透明度】の種類
透明度の高い順に並べると、以下のようになります。
| 種類 | 透明度(隠蔽力) | 特徴 | 描画効果 |
| 透明 | 最も高い(隠蔽力は最も低い) | 下の色が完全に透けて見える。 | グレーズ(薄く色を重ねて深みを出す技法)や、油絵のような重ね塗りによる色の変化表現に適しています。 |
| 半透明 | 透明と半不透明の中間 | 下の色がかなり透けて見えるが、透明色よりは隠蔽力がある。 | 透明色に近い重ね塗りの効果と、ある程度の発色を両立できます。 |
| 半不透明 | 半透明と不透明の中間 | 下の色をある程度隠しつつ、うっすらと透け感が残る。 | 下地の色を完全に消さずに、色相を変化させる表現(スカンブルなど)に利用されます。 |
| 不透明 | 最も低い(隠蔽力は最も高い) | 下の色を完全に覆い隠し、透けずに塗った色の発色を強く出す。 | ベタ塗り、下地の色を気にせず上から別の色で描き直す(リタッチ)こと、鮮やかなハイライトの表現などに適しています。 |
アクリル絵の具のバリエーション
アクリル絵の具は、その透明度によって大きく2つのタイプに分けられることが多いです。
1. 透明タイプ(アクリリックカラー/レギュラータイプ)
- 透明色や半透明色が多く含まれる、一般的なアクリル絵の具です。
- 重ね塗りで下の色を活かしたり、深みのある表現がしやすいのが特徴です。
- ツヤのある仕上がりになるものが多いです。
2. 不透明タイプ(アクリルガッシュ)
- 不透明色が中心の絵の具で、隠蔽力が非常に高いです。
- 下の色を気にせず、均一でマット(つや消し)な仕上がりで塗りたい場合に適しています。
- ポスターカラーのように、デザイン分野でもよく使われます。

「透明(アクリリック)」と「不透明(ガッシュ)」パッケージの違い
■↑文字で「透明」「半透明」などと表記されているもの。右端は「Gouache」(=ガッシュ:不透明)の表記があります。
■↑記号が描かれているものもあります。写真左から「半透明」「半不透明」「不透明」です。透明の記号は□です。
アクリルカラーは通常透明タイプで、「透明」や「半透明」があります。
チタニウムホワイトなど一部「不透明」もあります。
チタニウムホワイトは仕上げの光の表現などに適しています。
『Gouache(ガッシュ)』と書いてあれば不透明タイプです。
■↓白色(不透明のチタニウムホワイト、半透明のジンクホワイト)の活用法について詳しい記事はこちらです。
●アクリル絵の具「透明」:リキテックスプライム
●アクリル絵の具「不透明」:リキテックスガッシュアクリリックプラス
なぜ「ガッシュ」と呼ばれるのか?
「ガッシュ」とは元々、不透明水彩絵の具を指す言葉でした。
アクリル絵の具が登場した際、「不透明水彩のようなマットな質感を持つアクリル絵の具」という意味で「アクリルガッシュ」と名付けられた経緯があります。
透明水彩と不透明水彩(ガッシュ)の関係性が、そのままアクリル絵の具でも「透明アクリル」と「アクリルガッシュ」の関係になっています。
アクリル絵の具「透明」「不透明」3つの主な違いを徹底解説
実際に絵を描く上で、この成分の違いがどのような「描画の差」として現れるのか、
3つのポイントに絞って解説します。
- 隠蔽力
- 質感
- 色の変化
■↓同じ黄色い下地の上に「透明」「不透明」を塗って比較していきました。「隠蔽力」や「質感」など、わかると思います。
違い1【隠蔽力】下の線が「透ける」か「隠れる」か
最大の違いは「隠蔽力(いんぺいりょく)」です。
- 透明タイプ: セロハンのように色が透けます。下描きの線や、先に塗った色を活かした「重ね塗り(グレース)」が得意です。
- 不透明タイプ: ペンキのように下の色を完全に覆い隠します。色ムラなく均一に塗りたい場合や、修正したい場合に有利です。

■↓こちらの簡単3ステップで猫の絵の記事では、下描きの線を活かして透明タイプで色塗りをしています。
違い2【質感】乾いた後の「ツヤあり」と「マット(ツヤ消し)」
乾いた後の画面の表情も異なります。
透明タイプは光沢のある ツヤっとした仕上がり になりますが、
不透明タイプ(ガッシュ)は光を反射しないベルベットのようなマットな質感になります。
写真を撮ったりスキャンしたりする際、ガッシュの方が光の反射が少なく扱いやすいという利点もあります。
違い3【色の変化】乾いた後のカラーシフトを比較写真でチェック
アクリル絵の具の宿命として、乾くと色が少し濃くなる「カラーシフト(濡れ色現象)」があります。
一般的に、透明タイプの方がこの変化が大きく、不透明タイプ(ガッシュ)の方が変化が少ないと言われていますが、実際はどうでしょうか。
■↓乾燥前の画像です。
■↓乾燥後の画像です。「透明」の方が変化が大きいです。少し色が沈むような感じです。


【比較】筆の滑りと伸び:ムラになりにくいのはどっち?
3つのポイントにプラスして 筆の滑り にも触れておこうと思います。
透明タイプは、軽い力でスルッと伸びていく感じです。
不透明タイプは、少し重たい感じでが、なめらかに伸びます。
初心者さんが 色ムラのないマットな塗り をするなら、不透明タイプが扱いやすいです。

【目的別】あなたにおすすめのアクリル絵の具はこれ!
ここまでの特徴を踏まえて、描きたい絵のスタイル別にどちらを選ぶべきか提案します。
- 風景画・水彩風 → アクリル絵の具(透明)
- デザイン・アニメ塗り → アクリルガッシュ(不透明)
風景画・水彩風の重ね塗りなら「透明(アクリリック)」
油絵のように重厚なタッチを出したり、水彩画のように薄く溶いて色を重ねたりしたい場合は、
透明タイプを選びましょう。
複雑な色味や奥行きを表現するのに向いています。
アニメ塗り・デザイン画なら「不透明(ガッシュ)」
ポスターカラーのようにムラなくハッキリとした面で塗りたい場合や、
アニメのようなセル画調のイラストを描きたい場合は、不透明タイプ(アクリルガッシュ)が最適です。
下の色を隠せるので、はみ出しの修正も容易です。
初心者が最初に買うべきなのはどっち?
そもそも、これからどんな絵を描くのか考え中の方もいるかと思います。
そして、透明タイプにするか、不透明タイプにするか悩む……と。
それならばいっそ、どちらも試してみてはどうでしょうか!?
「楽しい!」「おもしろい!」と思った方 を続けたらいいと思います。本当にたくさんあるんですよ!
アクリル絵の具に関するQ&A

Q. 水をたくさん混ぜれば、不透明(ガッシュ)も透明になりますか?
A. ある程度は透けますが、透明アクリルのようなクリアな透明感にはなりません。
水を混ぜすぎると接着剤(樹脂)の比率が下がり、絵の具が剥がれやすくなるので、水の量は3割程度までに抑えるのが無難です。

Q.透明タイプで修正しようとして色が濁った!どうすればいい?
A.下の色がしっかり乾いてから次の絵の具を塗りましょう。
透明タイプは下の色が透けるため、失敗した箇所の上から別の色を塗ると、
色が混ざって汚く見えてしまう(濁る)ことがあります。
また、乾いていない状態で次の色を塗ると濁る可能性はあります。

失敗部分を活かして別のモチーフを描きこむなどもよくやっています!
Q. 100円ショップのアクリル絵の具でも大丈夫?
A.使い道によっては大丈夫です!
初めてアクリル絵の具を使う場合や、試しに使ってみたい、
いきなり高い絵の具を買うことに抵抗があるなど、様々なシチュエーションがあるかと思います。
まずは100均のアクリル絵の具を使ってみるのは、大アリです!使ってみて、さらにこだわりたくなってきたら画材メーカーの絵の具を検討しましょう。
コスパが高いので、練習用にガンガン描けるのは大きなメリットです。
しかし、販売目的の絵画には100均の絵の具は使用しない方が無難です。
アクリル絵の具や画材の品ぞろえの豊富さに驚きました!
■↓100円均ダイソーで揃えられるアクリル絵の具と画材。これでもまだ一部で、本当にたくさんの画材が置いてあります。
■↓100均ダイソーのアクリル絵の具について解説した記事はこちらです。
■↓100均セリアのアクリル絵の具について解説した記事はこちらです。
■↓100均アクリル絵の具、ダイソーとセリアを比較した記事はこちらです。
まとめ:描きたい絵に合わせて正しい種類を選ぼう
アクリル絵の具の透明・不透明は、どちらが優れているというわけではなく、
「作りたい表現」に合わせて使い分けるツールです。
それぞれの特性を理解して使いこなせば、表現の幅はぐっと広がります。
まずは自分の描きたいスタイルに近い方を手に取ってみてください。
絵の具の性質を知ると、世界が少し広がります。
透明でも不透明でも、まずは好きな色から! そこからあなたの絵は始まります。
- 透明(アクリリック): 重ね塗り、ツヤ、耐久性重視(油彩・水彩風)
- 不透明(ガッシュ): 均一な面塗り、マット、隠蔽力重視(デザイン・イラスト風)
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